演劇・人形劇合同公演「邯鄲」過去日誌(1月7日)

カテゴリー │演劇

1月7日(月)19時~
財団事務室ミーティングルーム。
新年初稽古は全員参加。
秘書の場面はなかったが、
冒頭の場面、菊の元に次郎がやってきて、会話があった後、
このようなト書がある。

   客席に背を向けたる二人の前に幕ひらく。正面は障子。天井より折紙細工おびただしく垂れたり。

この芝居で出ずっぱりの次郎と最初と最後が出番の菊のほかは、舞台奥に横並びに座り、控えている。
つまり常に舞台上、客席からは正面にいる。
そして、立ったり、座ったり、動いたり、小道具を出したり、いろいろやる。
冒頭のこの場面では、折り紙をそれぞれ右手と左手にひとつずつ持って現われ、天井から垂れる折紙細工を表現する。
各人の出番の稽古(僕の場合は秘書)以外にもこのような場面の稽古もやらなければならない。
この日、その冒頭の場面をやった。
折り紙細工はまだできてなかったので、最初は何も持たず、持ったつもりでやっていたが、
そのうち、紙が用意され、みんなそろって、《折り紙》がはじまった。
自分で持つ2つの折り紙を折るだけなのだが、
さて何折ろう、とかまえた途端、
あ、何も折れない・・・
と紙の両端を持った手が止まった。
他の人たちの様子を思わず見る。
すいすい折り進んでいる人、なかなか折れない人。
オレも折れないのをごまかすかのように、ワーワー騒ぎ出す。
「あ~、鶴も折れねえ」
兜は・・・無理だ。
帆掛け舟は・・・思い出せない。
紙ヒコーキで行くか。
みんな遊び心に火がついたか、楽しそうに折り紙をしている。
意外と時間がかかっている。
折り紙をするのが目的じゃないのに。
肝心の稽古どうするんだろ。
平日の夜でたっぷり時間があるわけじゃない。
突然思いついた。
猛スピードで折りだした。
雑ながらも形になった。
ひとつは出来た。
もうひとつは・・・いいや、同じで。
一度折ったばかりなので、
より猛スピードで折った。
より雑に出来上がった。
まあいいや。出来たし。
まわりにも出来たことを大いばりで自慢した。
両手にひとつずつ持って得意げだった。
出来たのは
さっき、ネットで調べたら、
《パクパク》というようだ。
そう呼んでたかなあ。
さだかではない。
通常は右手の親指と人差し指、左手の親指と人差し指の計4本を、4つの口に1本ずつ突っ込み、縦横に動かして、
パクパクやるのである。
文字や数字を書き込んで、占いとか言って、主に小学校の休み時間に遊んだ記憶がある。
パクパクを右手と左手に持って、さあ、いつでも稽古開始を、とかまえていたら、
演出家が「同じものを作った人は他の人と交換して」と言った。
オレは折った、出来がいい方のパクパクを、他の人の折り紙と交換した。
何を折ったものだったか、忘れてしまったが、とても折り紙らしい折り紙だったと思う。
オレのパクパクを持つことになったどなたかを少しだけ気の毒に思う。
ただ、これだけは言える。
パクパクはとても持ちやすい。

思い起こしてみると折り紙を折ったのはいつのことだっただろう。
鶴はお見舞いのためなどで折ったと思う。
ただし、そんな時は何人かで一緒に折っているので、最初に折り方を教えてもらって、あとはひたすら同じ折り方を繰り返していたと思う。
そして、折り終えると同時に、きれいさっぱり折り方を忘れてしまう。
そんなことが何回かあったと思う。
折ることはあるが、折り方を覚えることはない。
こういうことは他にもある。
例えば、料理。
何度作っても、毎回レシピを見る。
何度作っても覚えることはない。
とは言え、毎日のように作れば覚えてしまうのだろうが。
今回はみんなで鶴を折る必要はなかったので、鶴の折り方を教わって折ることもしなかった。
相変わらず、鶴の折り方は知らない。
当然、本番ではパクパクは使われない。
きれいな折り紙用紙が人形劇の方の提供で用意され、とある日の稽古開始前に、何人かの手により本番用の折り紙が折られた。
得意な人がすいすい素敵な折り紙を作っていき、主に女性軍が機敏に手伝っていた。
オレはほかのことにかまけて、手伝わなかった。
手を出せなかったというのが正しいのだが。

写真は次郎と菊。
撮影日は別の日の稽古です。
浜松写真連絡協議会の新野さんにご提供いただきました。
ありがとうございました。

 背を向けたる二人の前に幕ひらく。

後方で、練習用の折り紙を持って、ポーズとっています。











 

「路上演劇祭JAPAN in 浜松」実行委員会が開かれた

カテゴリー │路上演劇祭

1月27日(日)18時~
青少年の家・会議室で路上演劇祭の実行委員会。
その前に、浜松街中で会場候補である新川モールを見る。
管理する市役所では「新川緑地」といわれたそうだ。
でも「新川モール」と書かれた看板がそびえたっている。

日程は6月2日(日)13時~です。
場所は「新川緑地」(新川モール)で交渉中。

出演者および実行委員募集中!!


写真は新川緑地から「遠鉄電車・第一通り駅方面を見て」と
「浜松駅方面を見て」と「旧松菱方面を見て」

実はこの下には、新川と言う川が流れている。
このあたりは、コンクリートでおおわれ、面影はない。
もっと北、もしくはもっと南に行くと、川が現われるだろう。
ヒマなときに、たどってみよう。









 

演劇・人形劇合同公演「邯鄲」過去日誌(稽古休みの間)

カテゴリー │演劇

1月7日の年明けの稽古始めまでにやったこと。
インターネットオークションで黒電話を購入した。
年末、劇団からっかぜに黒電話をお借りしたのだが、
通常は昭和時代を舞台にした演劇をやる時などで使用するので、電話機はコードでつながっている。
ところが、今回の舞台で僕の役である秘書が登場する場面は夢の世界である。
突然次郎の前に現われて、次郎を社長と呼び、会社の資本金と個人資産の明細を持ってきてくれといわれ、
合図を出すと、「卓上電話と帳簿」が運ばれてくる。
そのような電話なので、コードでつながっている、というリアルさは必要とされていない。
むしろ、電話線とつながっていないコードがついているのもきれいではない。
ということで、インターネットオークションで、黒電話を探してみた。
1月3日の夜のことである。
980円で即決という商品があった。
即決で落とした。
1月6日に自宅に到着した。
翌日は仕事始めでもあり、稽古始めでもある。


写真は当日パンフの僕のコメント。




 

演劇・人形劇合同公演「邯鄲」過去日誌(12月28日)

カテゴリー │演劇

12月28日(金)邯鄲の年内最後の稽古。
全員参加で、19時~はまホールの練習室(31号室)
この日は仕事も最終日。
事務所の大掃除をして、早仕舞で、いったん自宅へ。
少々雨模様。

練習場に到着し、扉を開けると、
ほかの参加者たちに混じり、はじめて参加の
音楽担当のマリンバ・パーカッション奏者の永吉まゆみさんがいる。
マリンバやパーカッションが並んでいる。
生演奏される本番の様子がイメージされる。
はじまったな、と実感する。

ちょうど、昼間からやっていた紳士1・紳士2の掛け合い場面をやっていた。
本番は人形を使うのだが、人形は製作中のため、他の物を見立てて稽古。
その後、SPAC(静岡芸術センター)の役者・奥野さんも合流。
部屋はぎっしり。
演出家、「どこ、やろ~」
と言いながら、いろいろな場面をやる。
音楽家に音のリクエスト。
こんな感じで、というのを次々と音にしていく。
秘書の僕の場面はなし。

稽古が終ると、「東京バナナ」が部屋の片隅に。
昼間の稽古に出ていた座☆がくらくの静岡文芸大生堀田さんのお土産だそうだ。
せっかくなので、堀田さんにかわり、みんなにわける。
本人にはお礼を言えなかったので、今言う。
「ごちそうさま」。

次の稽古は年末年始をはさみ、1月7日。
仕事開始日と同じ日。
それまでやることは
先ずはセリフを覚えること。
でも、翌日からは年末年始休み。

写真は浜松写真連絡協議会の新野さんにご提供いただきました。
フェス全般にわたりお世話になりました。

眠る次郎と起こす美女。





 

演劇・人形劇合同公演「邯鄲」過去日誌(12月27日)

カテゴリー │演劇

12月27日(木)20時~
研修交流センター32
参加者は演出家、次郎役と秘書役の僕の3人。
同じ場所だが、前回の全員参加の稽古と様子がちがう。
稽古スケジュールが出てからしばらく間があったので、何点か準備をしていった。

戯曲に書かれた「秘書」の小道具がいくつかあった。
・名刺
・小切手
・電話
・帳簿
・メガネ
である。
とりあえず用意していこうと考えていた。
・名刺は固めの紙を名刺大の大きさに切り、しゃれで表にマジックで『秘書田秘書夫』と書いた。
・小切手は家の引き出しに入っていた市販の納品書を用意した。
・電話は前日、劇団からっかぜに黒電話を借りに行った。
 からっかぜさんなら、有るに違いないと、メールでお借りしたい旨をお伝えし、お借りした。
・帳簿は自宅で見つけたかなり昔同居していた叔母が置いて行った古いファイルを「これだ」と思い、用意した。
・メガネは当日、100円ショップでメガネとメガネチェーンを購入。
 メガネは老眼鏡。秘書っぽいデザインのを捜した。
 この日は特別、消費税分サービスということで、あわせて200円。

そして、とりあえずは一通り、セリフを覚えて行った。

稽古は秘書の出番のおよそ半分。
長セリフまで。

写真はあわせて200円のメガネとチェーン。
購入時はレンズが入っていたが、当然、抜いて使うことになる。




 

演劇・人形劇合同公演「邯鄲」過去日誌(12月23日)

カテゴリー │演劇

12月23日(土)19時から全員参加の稽古。
15時から次郎・菊の抜き稽古。
場所はアクト研修交流センター32号室。
通常音楽の練習に使われる場所で、防音ばっちり。
グランドピアノが鎮座している。
この日は別の日に行った役者・次郎と人形・美女の場面と役者・次郎と役者・菊の場面のおさらい。
一度稽古をしただけなのに、だいぶ出来上がっている印象。
美女の人形の操作をはじめてみて、色気のある仕草にみんな感嘆!!
クリスマスということもあってか、菊が全員に小さなプレゼント。
雰囲気よくスタートしたんじゃないかなあ。
僕、秘書の場面の稽古はなし。


 

演劇・人形劇合同公演「邯鄲」過去日誌(12月19日)

カテゴリー │演劇

12月19日(水)19時~
キャストの決定。
とはいえ、以後、一部変わることになる。
ホワイトボードに役名と俳優の名が書き連ねられている。
そして、12月の稽古予定。
翌日20日から28日までほとんど連日あるが、戯曲の構成上、抜き稽古と全体稽古を組み合わせ。
次郎役と演出家は毎回。
僕は全員参加である23日19時~と28日19時~、そして、抜き稽古は27日20時~。
年内は3回。

演出家は3月に東京・千川で行われる人形劇祭にも関わられているそうで、
拠点である静岡から、浜松および東京を行き来することになる。
全員参加の日とはいえ、仕事など諸事情で全員集合というわけにはいかない。
いない人の役は他の人が担当すると言う形で、再び読み合わせ。
僕は本役である秘書役と医師2の役を読む。
演出家の言葉では、
見事にヒューマニズムが書かれていない、ということへの言及に、なるほど。
写真は僕のいろいろノートから。





 

演劇・人形劇合同公演「邯鄲」過去日誌(12月12日)

カテゴリー │演劇

昨年12月12日(水)19時~。
キャストが集まっての初顔合わせ。
「演劇」の人たちと「人形劇」の人たち。
先ずは自己紹介。
あ、その前に演出家より、この作品が書かれた背景の紹介。
主に三島由紀夫の心情、事情による。
太平洋戦争で死ぬつもりだった三島が敗戦の決定により、
《生き残ってしまった》自らの死に場所が見つからないという状態で書かれたもの。
当時は敗戦を乗り越え、むしろなかったものとして、前を向き、日本の復興を旗印に世の中が動いていた時代。
その象徴はもちろん経済で、戯曲でも紳士の口から出てくる「金と女と名誉」への欲求は世の男の共通の欲求とされていたはず。
ところが主人公の18歳くらいの少年、次郎はそれら欲しくて当然なものには全く興味がないという。
つまり、世を儚むのは全てを経験してからするべきなのに、何も経験していない次郎がすでに世を、というより自らを儚み、厭世的である。
ただし、三島の思いはその先にある。
金を稼ぎたいとか、異性にもてたいとかそのようなことを超えたところ。
そして、各自の自己紹介。
僕は演劇の人たちはとりあえずは全員知っているが、人形劇の人たちは知っている人もいれば知らない人も。
そして、三島由紀夫の近代能楽集「邯鄲」の読み合わせ。
邯鄲はかんたんと読みます。
一部の人たちの集まりの中で戯曲を読み合わせたことをあったが、本番を想定しての参加者が集まっての読み合わせは初めて。
当初、主役である次郎役は出ずっぱりで台詞が多いということで、特別出演されるSPACの俳優がやる予定でした。
ただし、静岡から浜松まで来なければならないので、稽古日も限られる。
この日もいらしていません。
そこで、参加者である浜松キッドの男優がこの日の読み合わせでは次郎役を担当。
僕は秘書役。
以前読み合わせをした時は老国主役。
以前読まなかった役をということで、秘書役を振られた。
読み合わせが終わると、それぞれ、感想。
はじめて読まれたのか、以前読んだことあるのかわからないが、
それぞれの役を意識しながら読んでいたことに、関心。
僕なら、最初は文字を追うのに精いっぱいで、先ずはただ読むだけかもしれない・・・
演出に、感想を求められた時、
「寺田さんは何回か読み合わせやられたと思うけど・・・」
とハードルを上げた感想を求められた気がしたので、
「いえ、僕は一回だけですけど・・・」
といらぬいい訳しながら、感想を述べた。
この日はそれぞれの都合を聞きながら、今後の稽古予定を立てることになっていた。
カレンダーにそれぞれの都合をマルバツで記入し、提出。
ともに連絡先を明記し、先ずは年内12月の稽古予定の連絡を受けることに。
次の集まりは一週間後の19日。
次回までにはキャストが決まるということに。
演出から「たぶん秘書かなあ」と言われる。
写真はいただいた台本のコピーと自宅にある新潮文庫の「近代能楽集」。




 

「邯鄲」無事終了しました。

カテゴリー │演劇

20日(日)演劇・人形劇合同公演「邯鄲」が終了しました。
その後、16時30分からはクリエート浜松ふれあい広場でファイナルイベントがありました。

また追記で書きたいと思います。



 

1月20日演劇・人形劇合同公演「邯鄲」告知

カテゴリー │演劇

私も出ます。(秘書役)

前日19日には公開リハあります。(有料当日500円)

本番ともどもよろしくお願いします。









 

2013年の年頭にあたり思うこと

カテゴリー │思うこと

2013年 巳年

できるだけ不言実行。