万年橋パークビル8Fで絡繰機械’S「コンクリート・シアター vol.4」を観た

カテゴリー │演劇

6月9日(日)14時~
劇団員によるオリジナル短編作品が10本。
組み合わせを替えて4本ずつの上演が3日間で6回、
最終日の16日は全10本を一挙上演(購入チケットにより観劇本数は異なる)。

観たのは以下の4本。

「オルノスのともしび」 作:中西祥子
「或る再会」 作:柳川智彦
「ばくばくばく」 作:伊藤彩希
「sway」 作:唐津匠

絡繰機械’S において、
ほとんどの作品で作・演出をつとめる唐津さん以外の劇団員が
書き、短編作品を上演したことは今までにもあるが、
劇団員4人のオリジナル作品が並ぶのは初めての試みであろう。

普段は俳優をつとめている人が何と今回、劇作も・・・
と言いたいところだが、
普段も俳優だけをつとめているのではない。
中央の大劇団ならまだしも、
多くの劇団では、
美術をつとめたり、衣装をつとめたり、小道具をつとめたり、制作をつとめたり、
兼任は当たり前だ。
その延長線上に劇作があっても何の不思議もない。

そもそも人はいろいろと兼任しながら生きている。
会社でも社長や平社員、仕事内容も事務職、営業職など
役割はあるし、
家族でも父だったり、母だったり、息子だったり、
息子でも長男だったり、次男だったり、
立場はある。

但し、それらが完全に役割や立場が分断されているのではなく、
それぞれ幾分かを融合させながら、
ひとつの集団として、何らかの目的に向かっていく。

劇団というものの最大の特徴は
人と人とが共同作業でひとつのものをつくることにあると思う。
今はどちらかというと
他人同士がが横並びで
互いを認め合うことの方が流行りかもしれない。
必要以上に干渉しあわずともいえる。

劇団員の中にさまざまな形があっても
最終的にひとつの形にしなければならないので、
得意不得意などの適正、
好き嫌いなどの嗜好も鑑みて
ある程度特定した役割を持ちまわることになる。
ただしそれはどこかで金属疲労を起こし、
硬直化してきたりする。
年月を重ねればなおさら。

そこで、
集団はいろいろな策を講じる。
今までやらなかった役割をやるとか。
新しい発見はご本人が一番知るところだが、
上演することにより、
集団の為ではなく、
観客の為のものとなる。

4作品とも舞台作りが緩まないのは
劇団の一貫した共通項である。
一方、それさえも4作品バラバラにしたら
どうだっただろうとも思った。

一言感想。
「オルノスのともしび」~抽象的な見せ方だったが、もしも子供たちに見せるとしたら、どうやっただろう。壮大なファンタジーになるかも。
「或る再会」~ネタばれの時の「恥ずかしいよお」がよかった。考えたら、浜松でジャンルとしての“大阪”を感じることはあまりないなあ、と発見。
「ばくばくばく」~心理ホラーは、現象を起こす理由に怖さがある。気持ち悪さとのバランスがよかった。
「sway」~ロボット役がよかった。人民服のような衣装もはまっていた。考えればロボットはSFの王道のアイテムのひとつ。

万年橋パークビル8Fで絡繰機械’S「コンクリート・シアター vol.4」を観た



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