鴨江アートセンターで演劇集団浜松キッド「宮沢賢治 セロ弾きのゴーシュ」を観た

テトラ

2024年06月26日 19:43

6月23日(日)16時~

進化系移動朗読劇×音楽家生演奏と銘打ち、
6月23日の鴨江アートセンターから、10月19日、11月16日の浜松市雄踏文化センターへ続く。

浜松キッドによる朗読劇の他、音楽家による生演奏も行われる。
音楽家は各日変わり、この日はクラシックギター奏者の高崎守弘さん。

「宮沢賢治 セロ弾きのゴーシュ」は3月23日の大同窓会公演に続いて観たが、
文字通り、進化していた。
時を経て、作品は成長する。

金星音楽団は10日後に行われる音楽会のために、練習をしている。
セロを担当するゴーシュが、どうしてもまわりの演奏についていけなくて、
楽長から注意を受けている。

家に帰り、ひとり練習をしていると、猫やカッコーやたぬきや野ねずみの親子が順番に現れる、
という話。

それぞれの役を俳優が演じ、弁士が話をつなぐ。

「団長より愛を込めて」というリーフレットの挨拶分に、今回の公演に至った経緯が記されている。
朗読劇「セロ弾きのゴーシュ」は平成8年(1996年)9月15日に浜松キッド第16回公演として上演された。

当時から劇団とも付き合いのあった洋画家の足立典正さん(団長の小中の同級生)の御逝去がきっかけで、
再演することを決め、劇団員他OB、仲間たちにより台本、音響、小道具(動物の被り物)、チラシなどが揃っていく。

高崎守弘さんは、浜松キッド団長・山田利明さんの高校の同級生なんだそうだ。
40年間オーストリアのウィーンでクラシックギター奏者として、国内外で演奏活動をしていた。
3年前に地元浜松に戻り、クラシックギターの演奏及び指導を行っている。

ハプスブルグ家や大航海時代などヨーロッパの歴史などの話から曲を演奏する構成は、
まるで時間と場所をまたいだ世界旅行をしているようだった。

クラシック音楽に明るいわけでも、クラシックギターについて考えたこともなかったが、
そういえば、クラシックギターが入っているオーケストラはあまりないのではないか?
とふと思った。

ネットで少し調べてみたら、
他の楽器と比べ音量が少ないことや、
音の減退が早いことが理由として述べられていた。
つまり、音が埋もれてしまうのだ。
また、クラシックギターは音色の幅広さなどから「小さなオーケストラ」と呼ばれている記事もあった。

と言うことは、大所帯のオーケストラや演奏場所に縛られることもない。
演奏者とギター1本で、何処へでも行くことが出来るのだ。

旅先で観た光景に触発されてギター曲を作る。
大陸を越え、ヨーロッパの曲と南米の曲はまた違うだろう。

バッハの前奏曲に始まり、スペイン、キューバ、南米のギター曲。
映画音楽で「11月のある日」、「(ディアハンターより)カヴァティーナ」など。

「アルハンブラの思い出」は、
スペイン人のギタリスト、タレガがアルハンブラ宮殿の噴水から落ちる水が光に反射するのを見て、
着想して作られたということだ。




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