ボヘミアン・ラプソディ

テトラ

2018年12月03日 21:05

■ボヘミアン・ラプソディ         フィールド 寺田景一


12月1日映画の日にTOHOシネマズ浜松で
英国のロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーの
伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観た。
フレディがクイーンのメンバーである
ブライアン・メイやロジャー・テイラーと出会った頃から、
1985年にアフリカ飢餓救済を目的に開催された
ライブエイドのロンドン・ウェンブリースタジアムに登場したクイーンのライブまでを描いている。

実際のライブエイドのライブの模様を見事に再現していると話題になっている。
僕は、1985年の際は大学生で、アパートでテレビ中継を熱心に観ていた。
調べたら、フジテレビで7月13日午後9時から翌14日正午まで放送していた。

ライブの出演者に関しては、事前にも話題が盛り上がっていて、
ポール、ジョージ、リンゴが出演するばかりか、ジョンの息子、ジュリアン・レノンも登場し、
1日だけのザ・ビートルズ実現か?!と煽るスポーツ新聞の記事も目にした。

時代はメディアがレコードからCDに変わっていく頃で、MTVが登場し、
音ばかりでなく、ミュージックビデオでのプロモーションも重要視されるようになってきた。
クイーンは全盛期を過ぎたベテランバンドで、フレディのソロ活動が目立っていたが、
若くて勢いのあるマイケル・ジャクソンのようには行かない。

ライブエイド以前にバンドエイドと言う名で、イギリスで主に活動するミュージシャンたちが集められ、
「ドゥー・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」という曲が作成された。
クイーンのメンバーは誰も参加していない。

ライブエイドに出てきた時は、むしろ唐突感があり、その後の記事では、
クイーンは、チャリティー目的と関係なく、自分たちがやりたいパフォーマンスをやった、
と悪口を言われていた記憶がある。
チャリティーという目的があるので、普段やらない人達が共演したり、
社会的メッセージを発信してきたミュージシャンを登場させるとかではなく、
自分たちの宣伝の場にチャリティーを利用したのではないかという揶揄心である。

僕は、チャリティーだからと言う気持ちはまったくなく、
この時の夢のようなライブエイドの映像がまたいつか観られたらいいな、
と頭の片隅に少しだけ残しながら過ごしていたが、
2004年、DVDの4枚組として販売されるのを知り、迷わず購入した。
そのDVDの中でもクイーンは最も多い6曲収録され、何度か観てしまうパートの内のひとつだった。

そのDVDも長く観ていない。
そこで「ボヘミアン・ラプソディ」の情報を知る。
久し振りにDVDを手に取った。
クイーンのパートのみを観直した。
そして、映画を観た。
ライブエイド参加時のフレディやメンバーの状況も描かれていた。
その当時、フレディは命を落とすこととなるエイズに侵されていたことを知っていて、
メンバーにも知らせていたという。
その後、フレディが亡くなるのは1991年11月24日である。

タイトル名でもある「ボヘミアン・ラプソディ」という楽曲が生まれた経緯も描かれている。
「同じことをやりたくはない。オペラだ。オペラと融合した曲をやるのだ」。
実はとても演劇的でもあるのだ。
映画は、日本語の字幕があるので、歌詞の意味を感じながら聴くことができた。
それがよかった。


静岡県西部演劇連絡会会報12月2日号より



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