アクトシティ浜松大ホールで浜松交響楽団第90回定期演奏会を聴く

テトラ

2021年03月26日 23:06

3月21日(日)14時~
前夜からひどく雨が降っていた。
2週続けて演劇を観た翌週のオーケストラによるクラシック音楽。

普段から、クラシック音楽を聴くというわけではない。
CDも数えるほどしか持っていない。

何なら、例えば高校の文化祭も見てみたいというタチなので、
チラシや新聞やネットなどで情報を得ると、
時間や開催場所や内容やチケット料金などと照らし合わせて、
気持ちと一致すれば、いそいそと足を運ぶ。

浜松交響楽団は「楽器のまちから音楽まちへ」との願いを込めて1976年に
(社)浜松青年会議所により設立。
団員数は120名。

創立45周年 ドイツロマン派の神髄に迫る

プログラム
ワーグナー 歌劇「タンホイザー」(ハイライト)
ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 作品68

「タンホイザー」はソプラノ森谷真理さん、バリトン青山貴さんのソロパートがあり、
合唱は浜松合唱団。
ナレーターの山田門努さんが幕の間に登場し、楽団の紹介や作品の概略を語る。
映像(荒井雄貴さん)も映し出され、歌劇らしく演出を試みているのかなあ、と感じながら聴く。

演出されたオペラ演出家である中村敬一さんのインタビューがパンフレットに記されている。
演出家の面白み醍醐味を聞かれ、
「オペラの演出は演出家と美術、衣裳、照明、映像、音響等たくさんのプランナーとの共同作業です」
と答えている。
更に「演出家の意図を各プランナーに投げかけ、各自が持ち寄り皆で議論すると、
自分が想像した以上に表現しているものが出てくる。
その人たちの知恵、魅力が加わってそれらが結束したところで演出家の力になり、それが面白い」
と言っている。

まるで演劇のことを言っている。
ダンスやミュージカルのことを言っていると思う人もいるだろう。

この日の演出は本来の融合の手前のものであろう。
ただし、そのためには時間の共有などが必要となるので、
実現させるかどうかは、まったく別の話になる。

浜松交響楽団の定期演奏会なのだ。
しかし、外部の専門家が入ると、別の視点からの試みがなされて、
新しい可能性を垣間見せてくれる。
僕にとってはオペラへの可能性を見せてくれた。

ソリストも合唱団も歌い、演じ、演奏家も演奏し、演じ、
あ、「演奏」という言葉にも、“演じる”が入っている。



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