10月12日(土)17時~
文楽を観るのは初めてだ。
だから、批評などというのはおこがましい。
演目前に、文楽や演目についての説明がされると言う親切な構成。
文楽とは、歌舞伎や能のような舞台芸術のジャンル名なのではなく、
人形浄瑠璃の、あくまでもひとつの家(座)の名前なのだそうだ。
いくつかあった家が淘汰されて、文楽座という名の家のみが残ったのだそうだ。
人形浄瑠璃文楽とは、大夫、三味線、人形遣いの三業が息を合わせ、“三位一体”で作り出されるのが特徴なのだそうだ。
今回、公演情報を知り、静岡市まで観に行った理由もここにある。
このところ、純粋ないわゆる演劇活動より、
音楽家、ダンサーとのコラボで、表現させていただく機会が多い。
ジャンルが違う中での表現に、それなりに思い、考えることもある。
特に、即興の音、踊りに合わせる演劇と言うものが、何なのか、測りかねたりもしている。
太夫=語り、三味線=音、人形遣い=踊り、
と見事に重なる気がしたのだ。
そこで、百聞は一見に如かず。
「グランシップ伝統芸能シリーズ
ユネスコ無形文化遺産
人形浄瑠璃 文楽」
に出向くことにしたのだ。
予想した通り、
面白い。
批評は書かない、
と言うより書けない。
演目の特徴的な場である、
猿回しの場面。
誤解を恐れず言えば、文楽も“演劇”、
演劇とは遊びそのものであると言うことがよくわかる。
着物を着た白髪の男性三人が、たった一体の人形を大真面目に扱う。
これぞ究極の人形遊び。
原点は子供の無邪気な人形遊びなのだ。
それが文楽と言う芸術の神髄。
堅苦しいものなんてこととはまったくの無縁。
その無垢さに単純に感動する。
猿回しなどは、2匹の猿を黒子たった一人で、両手につけた猿の人形を動かすのみで、行う。
子どもの手遊びとまったく変わらない。
大阪にある国立文楽劇場に一度足を運んでみたいものだと思った。
そうやって活動範囲は広がっていく。