メロープラザ多機能ホールで演劇集団es「ハッピーエンドには早すぎる」を観た

カテゴリー │演劇

9月30日(日)13時30分~
3年ぶりの本公演ということだ。
3年前も同じ会場で観た。

大学の先輩を呼び出し
愛の告白をする女子大生。
しかもそれは即成就する。
やりとりは「漫画的」というか
かなりわざとらしい。

短いシーンを終えると
場所と登場人物が変わる。
締め切りまで間もないというのに
何も描けていない漫画家。
話の内容もまったく出来ていない。
おまけに海外旅行に行っていたという。
アシスタントと編集者は
漫画家とともに協力して話を作り
漫画を完成させることになる。

わざとらしい人たちは
描かれた漫画の中の人たちなのだ。
すぐに観客はその仕組みを理解し、
以後、描く人たちと
描かれた漫画の人たちは
交互に登場し
芝居は進行する。

この仕組みはかなり成功している。
漫画の中の人たちは
描く人たちの言いなりなので、
相当自由が利く。
平気でリアルを飛び越える。
ここにオリジナリティはいらない。
「漫画的な」類型の設定が功を奏する。

付き合った男の親が1億の借金を被っていたり、
借金を返すために夜の街で働くとか、
突然出てきた同級生が戦隊ヒーローだったり
などなど。

発想が次々と展開するので
つい浮かれがちになりそうなところを
抑えた演出がふさわしい。

音効で使われる音楽がふさわしいと思った。
漫画の中の人たちの演技も
描く人の行動に制限される役であるためか
演技の具合がふさわしかった。
そのうえ、見せ場は理解し、
魅力的に演じていた。

それは、劇団として
継続して大事に稽古を積み重ねている成果にも思えた。

漫画の中の人たちが起こす展開は
僕が観たesの公演の中でも
最も不条理に満ちた危うさを伴い、
面白かった。

但し、このまますれ違っていくのは
この集団が求める結末ではなかったのだろう。

漫画家の隠されていた状況と
本当の目的が知らされ、
エンディングに向かう。
それはどこか安心感を伴っている。
これは紛れもなく演劇集団esの存在の目的であろう。

人によってとらえ方はあるだろうが、
前日最終回を終えた朝ドラ「半分青い」を思い起こした。
イメージも「半分青い」が青空と鳥で、
こちらが青空と飛行機。

メロープラザ多機能ホールで演劇集団es「ハッピーエンドには早すぎる」を観た



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