シネマe~raで「マルモイ~ことばあつめ」を観た

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10月10日(土)14時~

韓国を日本の統治下に置く韓国併合は1910年に始まり、
終戦により終わる1945年までの35年に及ぶ。
「マルモイ~ことばあつめ」はそのような時代の1940年代、
日本統治下、京城と呼称された韓国・ソウルを舞台にした
史実を元にした物語。
統治のために設置した朝鮮総督府の管理下に置かれ、
母国語である朝鮮語の使用が禁止され、
日本語の使用が命じられる。

そんな中、秘密裏に、朝鮮語学会により、朝鮮語を守るために、
全国の言葉、方言を集めて辞書を作る作業が行われていた。

主人公は、仲間と擦りを行ったりしていて、
刑務所に出たり入ったり。
学もないらしく、話すことはできるが、
朝鮮語の読み書きができない。
辞書作りの中心人物である男の父親が校長を務める「親日派」の学校に通う兄と
幼い妹の二人の子供と三人で暮らしている。

そんな男が専門家の集まりである辞書作りの仲間に加わることになる。
そして、朝鮮総督府に目を付けられ、
辞書作りは阻まられていく。

しかし、弾圧に負けず、
仲間(同志)と絆を作り、
子供たち、
擦り仲間、
刑務所仲間、
最後は多くの国民も巻き込み
朝鮮語の辞書作りの実現に向け、邁進する。

これは本当に監督の使い方が「うまいなあ」と思うのだが、
娘である幼い妹がかわいらしく、
表情、セリフまわしが絶妙。
学校では朝鮮語の使用が禁止され、
日本語を使わざるを得なくなっていく兄との対比が
ひとつの象徴的として、物語の進行をまっぷたつにしていく。

クライマックス、
総督府の責任者が兄に銃をつきつけるところは
正直、やりすぎかなあ、と思うが、
物語の構造上そうならざるを得ない。

追い込む側の朝鮮総督府は当然ながら日本人である。
映画では日本語の言い回しから、日本人の役者がその役を演じているのではないことが
日本人の僕はわかる。
だが、日本人の僕として、とても心が痛む。

統治されている側の韓国人たちが感情豊かに描かれているのに対し、
統治している側は、人数が多いばかりで、
みな鉄面皮で顔がない。
まるで、スターウォーズの帝国軍の兵士ストームトルーパー(あの白いの)
か、仮面ライダーのショッカー(こちらの方がどじったりして人間臭い)か。
西部劇や時代劇の敵役のその他大勢ももう少し人間臭いかもしれない。

銃を持ち力で圧しようとする
統治する者たちとて、
自らの判断と言うより、
国家の命令の元行動している。

その結果、丸腰の主人公に対し、
何丁もの銃口を向け、
砲撃する手段に及ぶ。
これもいかにもやりすぎだ、と思うが、
物語の構造上、
この事実により、
エンディングに駒を進めることが出来る。

ここでまた僕は
自分が何人であるかということを考える。

この頃、韓国でも識字率が低かったという記事を見て、
現在の世界の識字率ってどうなんだろうと思い、
タブレットを操作した。
識字率による国順リストという2013年のデータで
日本、韓国など46の国が識字率が非常に高いを表す99以上。
ただし、アフリカ諸国など低い国がたくさんある。
目安となる調べた時期や方法もそれぞれ異なると思うので、
今現在はまた違うだろうが。

追記
ポスターのこの集合写真、
「パラサイト~半地下の家族」も
同じように集合写真で似ている。

シネマe~raで「マルモイ~ことばあつめ」を観た


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この記事へのコメント
私も観ました。
やりすぎというのは、おそらく日本人を悪く描こうという意図があるのではないでしょうか。どんなに日本人が悪かったか・・・
他にもいろいろ?‽の場面がところどころありました・・・
例えば、主人公が死んじゃうけど、原稿を預けた辞典を作るリーダー(もう一人の主人公?)生き残るってどうなの・って・・・(続)
Posted by ヒメぱせり at 2020年10月15日 21:13
なるほど。
Posted by テトラテトラ at 2020年10月21日 05:15
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