藤枝ノ演劇祭3へ行った。

カテゴリー │演劇

3月3日(日)

3月20日に自分が出演する舞台がある関係もあり、
チケットを取るのが直前となった。

行きたかった、まちを歩きながら体験する、
「まちを迷おう、ものがたりを探そう」は、各10人限定だが、6回とも完売だった。

11時から無料公演の蓮華寺池公園 野外音楽堂前芝生広場での「お願い、だから笑って」を観て、
14時30分からひとことカフェでのアートひかり「ねずみ狩り」、
16時から生涯学習センターでの「清水宏スタンダップコメディ 演劇祭スペシャル」に行く計画を立てる。
最後の「刺青」も観たいと思ったが、
前日も豊橋に観劇に行ったし、明日仕事だし・・・、
上演時間と観劇料金のバランスや、総出費なども考慮し、
休日の過ごし方を選ぶ。

選んだ行動にそんなに大きな意味はない。
選択しながら日々生きて行くしかないので、
ある種、偶然が生んだ結果としか言いようがない。

ていねいに作られたプログラムには裏面前面に会場エリアMAPが載っていて、
「おきせ金つば本舗」というのが気になり、
帰りに寄ろうと決めた。
生涯学習センターの駐車場から車を出し、
和菓子屋の横に車を停めたら、
そこは演劇祭最終の演目「刺青」の会場である大慶寺のすぐそばで、
開演を待つ人たちの姿が見えた。

質の悪いことに、そういうのをみると、
演劇も観たくなってしまうのだが、
予約もしていないし、一度決めたことだしと自分に言い聞かせ諦め、
購入した金つばやまんじゅうを手に、浜松に向かい、帰路に就く。

藤枝の、たぶん蓮華寺池公園の存在が大きいと思うのだが、
この周辺(歩けば、歩いてまわることが出来る)の会場で行われる演劇祭は、
良い意味で街のコンパクトさを活用している。

パンフレットには会場間の徒歩移動時間も掲載されていて、
お客さん、会場の決まった場所で座っているだけじゃなく、外へ出ようよ、
というメッセージも伝わる。
それは観劇の楽しみじゃなくて、ハイキングや散歩の役割で、ジャンルが違い、大きなお世話だというのもあるだろう。
でも演劇祭自体をトータルなエンターテインメントと考えると、
いろいろな体験が出来て良い。

「お願い、だから笑って」は音楽とダンスと演劇の融合。
この順番で、登場してきた。
キーボード演奏に、歌。
ダンサーの踊りがあり、
背後にある山から、スーツケースを持った女性が現れ、
演劇が始まる。
ダンサーの方もセリフをしゃべり、俳優でもあった。

「ねずみ狩り」が行われたのは、お茶さんの建物を活用した場所で、
ひとことカフェと言うことは、普段はカフェなのかもしれない。

いわゆる古い建物を現代的に使用するリノベーションであるが、
建物の広さ、佇まいが、とても良かった。
劇場やホールでないところで演劇をやるというのはあるが、
劇場以上に劇場らしいと言うか。

ホールも演劇専用でなく多目的なものが多いので、
決して、演劇をやるにあたり使いやすいばかりではない。
劇場以外でやれば、当然狭すぎたり広すぎたり、形がいびつだったりする。
ところが、ひとことカフェは、会場はスカッと広がりを持ち、天井も高く、
演者もやりやすいし、観客も観やすい気がした。

アートひかりは昨年もここで上演したそうだ。
「ねずみ狩り」と言う1944年生まれのオーストリアの作家ペーター・トゥリーニが23歳の時に書いた作品。
つまり1967年。

世界的な大きな戦争が終わり、
若者が自分たちなりの新しい価値観を求める時代だったかもしれない。
今生きている社会に目を向け、そこに他人事ではなく自らを問う。

そんな作品をまさに、身体を投げ出して演じる劇団の姿勢に驚いた。
アフタートークでは演出家と発行時の訳者である寺尾格さんが登壇。
次に行われる公演の開演時間も考慮したアフタートークのスケジュールに思った。

「清水宏スタンダップコメディ 演劇祭スペシャル」が行われる生涯学習センターは、ひとことカフェから徒歩7分。
「ねずみ狩り」には次に登場する清水宏さんも観に来ていて、
これなどは演劇祭らしい。
また、そんな余裕は自分では考えられないので、さすが百戦錬磨と感心。
例えば落語家なんかもそうだろう。
その日の客を観て、演目を決めるなんて言う方もいるみたいだから、
舞台に立ち続けている人は、ある意味舞台に立つことが日常レベルなのかもしれない。

清水さんは、アフタートークを前に会場を後にする。
わずかな時間で準備をして、16時からの舞台に立つのだろう。
僕は、アフタートークを聞いて、次の会場に進む。

生涯学習センターと言う、382人のキャパの会場が、
スタンダップコメディーの会場としてふさわしかったかどうかはわからない。
清水さんはそんなことお構いなしに、自らのペースに持ち込む。
目の前にいる人、一人残らず全員を楽しませようという気概はプロフェッショナル以外の何物でもない。

ぼんやりしていると、見つけられ指名されるので、うかうかしていられない。
乗れなくても、乗ったふりをしていると、楽しくなってくるなんてこともあるかもしれない。

清水さんは、スタンダップコメディを始めた頃のことを語ったが、
英語もわからないまま、スコットランドの首都エディンバラに行き、5年間スタンダップコメディアンとして過ごしたそうだ。

エディ・マーフィーやウッディアレンがスタンダップコメディ出身だと言うが、
日本に寄席があるように、欧米では、バーやクラブ、専門の小屋などで、しゃべりひとつで笑わせるスタンダップコメディの文化が普通にあるのだろう。


写真は、ひとことカフェ

藤枝ノ演劇祭3へ行った。



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