磐田市民文化会館で富良野GROUP2015冬「ノクターン☆夜想曲」を観た

カテゴリー │演劇

25日(火)19時~
いわた表現の会からころの仲間に、磐田公演の実行委員会のメンバーがいて、
2010年の「谷は眠っていた」、2013年の「明日、悲別で」に続き、
富良野GROUPの観劇は3度目である。
富良野GROUPは有名脚本家倉本聰さんが起こした富良野塾の塾生たちが
2010年の閉塾後も創作活動を続ける集団。

2011年3月11日の東北大震災からおよそ4年。
つまり今。
公演当日が2月25日だから、もう2週間もすると丸4年である。
そんな今がこの作品の時間である。
場所は福島原発の避難区域。
震災により行方不明の娘をさがすため、
浜を掘り続ける男がいる。
新聞記者がやってくる。
取材する側であったが、彼も同僚を震災で亡くし
自身も津波を目の当たりにした。

彼らはその影響を4年の月日が経とうとする今も受けている。
それは、2人の前に現れる彫刻家の女性の登場により
明らかになる。
その場所は彫刻家の仕事場である。
彼女が制作したピエロの彫刻が置かれている。
部分的に壊れた彫刻のかけらが転がっている。

埃が積もったピアノが置かれている。
洋行帰りのような華やか装いの女がやってくる。
彫刻家の妹である。
フレデリック・ショパンを恋人と思いこんでいる。
フレデリック・ショパンとは19世紀はじめに生きた
ポーランド・ワルシャワで生まれた作曲でありピアニストのことだ。
これから、ワルシャワにフレデリックに会いに行くという。
でも実はフレデリックとは飼い犬の名前である。

妹はピアノを弾きはじめる。
ショパンの「ノクターン」。
彼女が引き続けるピアノの音がバックで流れる中、
会話が続けられる。

娘を亡くした男も同僚を亡くした男も
4年前を語りだす。
語りだすのは人間たちだけではない。
ピエロの姿をした彫刻たちも語りだす。

倉本さんは福島県南相馬氏在住の詩人・若松丈太郎さんの詩
「神隠しされた街」に出会ったことから、今回の作品を書くきっかけに
なったそうである。
1986年にチェルノブイリに行った時書かれた詩である。
作品の中でもその詩が語られる。

登場人物たちは4年前も今もあまり変わっていない。
記憶や体験は今も行き続ける。
変わっているのは観ている僕たちかもしれない。







 

雑誌ビッグイシュー日本版に「路上演劇祭JAPAN in 浜松」の記事が載った 

カテゴリー │路上演劇祭

ビッグイシューという雑誌がある。
ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年にロンドンで始まった。
雑誌販売者は、現在ホームレスか自分の住まいを持たない人で、
雑誌10冊を無料で受け取り、
その売上3500円を元手に
以後は170円で仕入れ、350円で販売し、
180円を販売者の収入とする。
そんな方式で販売されている。

ビッグイシューの日本版最新号(2月15日発売 vol257)
で、路上演劇祭JAPAN in 浜松が取り上げられた。
「包容空間、路上のいま」という特集で、
見開き2ページで、取材記事が掲載されている。

先月とある日、浜松まで記者が来て、取材を受けた。
取材を受けたのは
前実行委員長の里見のぞみさん
現実行委員長の菊池奈々子さん
浜松手をつなぐ育成会・浜松キャラバン隊の高橋久美子さん
演劇集団・浜松キッドの白柳弘幸さん
の4名である。

2月15日現在、札幌、仙台、千葉、東京、横浜、名古屋、金沢、京都、大阪、奈良、神戸、岡山、福岡、熊本、鹿児島
で販売されている。
販売者が用事や休憩などで売り場を離れていることもあるので、ご了承ください、と雑誌に記されている。
販売場所も「路上」である。
販売場所の詳細は「ビッグイシュー日本版」のHPサイトをご覧ください。

http://www.bigissue.jp/

路上演劇祭JAPAN in 浜松2015は5月23日(土)14時~19時に浜松駅北口前で行われます。
ただ今、出演者およびスタッフを募集中!!
出演者のエントリー締め切りは2月末日です。
所定のエントリーシートとチラシ使用のための写真1点を提出いただきます。
お問い合わせ・お申し込みは、私、企画担当:寺田までどうぞ。
「テトラポッドな日々」のコメントやメールアドレスにご連絡ください。







タグ :浜松街中


 

鬼と私の居ぬ間に その7

カテゴリー │ブログで演劇

浦島「忘れてた。ここで待ち合わせしてたんだ」
小夜子「どなたとですか?」
浦島「かぐや・・・」
雪「かぐや姫?」

   お神楽が鳴り響く。

菊「かぐや姫の登場だ」

   なかなか出てこない。
   少しだけ出てくる。

家具屋「あの~」
みんな「・・・」
家具屋「とっても出にくいんですけど」
雪「かぐや姫?」
家具屋「いえ。家具屋ですけど。浦島さんに呼ばれまして。お嫁さんがいらっしゃるので、新しい家具をしつらえたいと」
小夜子「え~。お母様、ありがとうございます」
浦島「家具屋さん、こっちこっち」

   家具屋、やってくる。



家具屋「当店の家具は日本伝統の職人技を特徴としています」
菊「家具はやっぱり日本が一番かい?」
家具屋「もちろんです。日本人のこまやかさにはなかなかかないません」
菊「うちの息子は嫁と一緒に遠いデンマークって国で、自分たちの家具を作っている」
家具屋「それもいいですね、きっと。詰まった真心が受け入れられてるんでしょうね」
百合「お母さん・・・」
家具屋「すみません。調子いいですか?でもたぶんどちらも素敵なんですよ」
夕子「楽しいね。歌でも歌おうか」
雪「白井雪、雪国歌います。追いかけて~、追いかけて~」



浦島「ゴミの分別あいうえお歌いましょう」




宇佐山・亀村「え~」
百合「何ですか?それ」

   『一月一日』の前奏流れ出す。
   そのメロディーで歌いだす。



亀村「ゴミの分別あいうえお」
みんな「あ!」
小夜子「空き缶空き瓶資源ゴミ」
みんな「い!」
家具屋「いらないものなら買うんじゃない」
みんな「う!」
夕子「うちのとうちゃん粗大ゴミ」
みんな「え!」
雪「遠慮はいらないこきつかえ」
みんな「お!おかげで我が家にゴミはなし」
雪「浦島さん、これに振りをつけて、盆踊りでも踊ろうって」
みんな「え~」

   大ブーイング。
   そして、大笑い。

百合「あ」

   百合、時計を見る。

百合「みなさん。私、もう帰らないと」
夕子「え?デンマークへ?」

   百合、うなずく。
   

雪「え~。今夜は夕子と3人でいっぱいしゃべろうと思ったのに」
百合「ごめん。最初からその予定だったんだ。デンマークまで日本から10時間半。大事な仕事の用がある。大きな契約になりそうなんだ。主人と一緒に出るの」
雪「また会おうね。絶対会おうね」



百合「うん。もちろんだよ。(菊を見る)お母さん」

   百合、菊の方へ向かう。




百合「決めるのはお母さんなんですね。でも、私たちは待ってます。来たくなったらいつでも連絡ください。また会いに来ます」
菊「菊夫と孫の顔も見たいわあ」
百合「わかりました。みなさん、うちの母をよろしくお願いします」
みんな「こちらこそ」
百合「さようなら」
みんな「さよなら」



   百合、去っていく。

菊「帰るよ。店が心配だ。枯れ木に花を咲かせましょう~」

   と言いながら去っていく。

宇佐山「花咲ばあさん?・・・そうだ。夕ごはんの支度が」
亀村「明日もまたゴミ当番。かぎ開けなきゃ」

   ふたり、別方向に去っていく。

雪「あ、息子」
夕子「もう帰ってきて、お腹すかして待ってるよ」

   ふたり、別方向に去っていく。

浦島「家具屋さん、家で新しい家具の相談しようか」
家具屋「はい」
小夜子「お母様、昔はよかったですか?」
浦島「今もまんざらでもないけどね」

   侍従が出てくる。



侍従「姫、お帰りの時間です」
小夜子「姫?」
家具屋「私、もう帰らないと」
浦島「どこへ?」
侍従「月へ」
家具屋「すみません。さようなら」



   お神楽が鳴り響く中、家具屋姫、侍従とともに月へ帰っていく。



小夜子「かぐや姫?・・・」
浦島「帰りましょうか」
小夜子「帰りましょう」

   浦島と小夜子、仲良く帰っていく。




            おわり

  



 

鬼と私の居ぬ間に その6

カテゴリー │ブログで演劇

   百合が飛び出す。
   角が下に落ちる。
   鬼が拾おうとする。
   桃子が角を蹴飛ばす。
   みんな、一斉に角に飛びつく。
   誰かが拾い上げ、上に掲げる。

浦島「早く燃やしちゃいましょ」
桃子「それ危険物です。資源ゴミにもなりませんから」



   桃子が拾った人から角を預かり、しまいこむ。
   みんな、あらためて鬼に豆を投げる態勢。



百合「みんなで投げると、世界から、悪いことはなくなるんだよね」
夕子「少しはまともな世の中になるかもね」
雪「息子も少しはいい子になるかなあ」
宇佐山「もう少しのんびりできるかな」
亀村「少しはテキパキできるかな」

   ふたり、顔を見合わせる。

浦島「私も少しはやさしくなれるかね」
小夜子「私は・・・私は今の・・・今のままのお母様でいいんです!」



鬼「・・・へへ・・・降参だ。白旗あげるよ」

   鬼、両手を上げる。



鬼「豆を投げつけるかい?ゲームセンターの鬼みたいに当たったらガオーってやろうか?」

   みんな、次々に挙げた手を降ろす。

宇佐山「このお豆、食べるとおいしいんだよね」

   宇佐山、食べだす。
   亀村も食べる。

亀村「うん。おいしい」
雪「おいしい」
夕子「・・・うまい」
小夜子「おいしい」
浦島「うんうん。おいしいね」
菊「固いものは歯が・・・(かじる)うまいのは知ってるよ」
百合「(あじわい)おいしい」

   犬山、ぼりぼり食べている。



犬山「桃子さん、これ、けっこういけますよ」
桃子「(疑わしそうに食べるが急に笑顔)おいし~い!」

   みんなで互いにすすめあったり、おいしいと言い合ったり。

鬼「俺は、どうすりゃいいんだ?」
桃子「あんたたちは退治してもまたやってくる。永遠に消えることはない。でも、また出てきても、私たちが退治してやる」
犬山「私もついていきます」
鬼「じぁあ、行くよ。またな」

   鬼、去って行く。





犬山「では我々も」
桃子「ああ」
犬山「失礼します」

   犬山と桃子、敬礼をする。
   みんなも合わせて敬礼で返す。



   2人、去っていく。


その7に続く。


 

鬼と私の居ぬ間に その5

カテゴリー │ブログで演劇

   鬼がとぼとぼやってくる。

百合「鬼?」
鬼「みなさん。僕の角知りませんか?」
百合「角?」
桃子「鬼です。鬼が出現しました」
みんな「鬼?」

   後ずさりする。

鬼「僕、鬼なんですけど、今は大丈夫ですよ~」

   鬼、手をふっている。



桃子「死んだお父さんが言ってた。鬼は角がないと力は半減する」
鬼「半減どころか、悪いことする気まったく起こらないんだよなあ。鬼失格だね。あはは」
百合「でも、鬼なんだよね」
鬼「はい~」
百合「私とお母さんがうまくいかないのもあなたのせい?」
鬼「そうかもね」
雪「息子が私の言うこと聞かないのも鬼のせい?」
鬼「かなあ」
小夜子「私が選んだセーターの悪口言われるのも?」
亀村「だって」
宇佐山「ねえ」
夕子「そんな悪気のない言葉も?」
鬼「まあ」
浦島「いつの時代も人が人を殺めることが止まらないのも・・・」
鬼「はい~。全部(少し怖い顔)おれが悪いのかなあ」
桃子「みんな下がって。鬼退治します」

   みんな、下がって、見守る。
   桃子が何か手に持っている。
   振りかぶる。

百合「何?それ?」
桃子「豆です。鬼退治には豆です。鬼は~」
鬼「俺だって死にたくない」

   鬼、人の間を縫って逃げる。
   桃子、人にぶつけそうで投げられない。
   鬼、逃げ去る。

亀村「あ~あ。逃げちゃった」
宇佐山「もうっ。亀村さんのんびりしてるから」
亀村「悪かったわね」

   宇佐山と亀村、そっぽを向く。




小夜子「私、鬼がいるところなんかに来たくない」
浦島「勝手になさい」
小夜子「本当はそのセーター気に入らないんでしょ?」

   小夜子、浦島から背を向ける。

百合「もし、鬼の角が見つかったらどうなるの?」
桃子「どれだけ凶悪になるのか私にもわかりません。世界を滅ぼすかも。精一杯がんばりますけど」
夕子「鬼ごっこどころじゃないね」
雪「バカバカしい。大人のくせに鬼ごっこだなんて」
夕子「何よ」
雪「ふん」

   雪と夕子、背を向ける。



百合「私はいやだ。お母さんと仲たがいしたままなのは」
桃子「まずい。鬼波の影響が・・・」

   百合、歩き出す。

桃子「どこへ?」
百合「花咲商店へ。お母さんの店へ」
桃子「危険です。いつ鬼の角が見つかるかわかりません」
百合「尚のことお母さんが心配よ」
桃子「本部に要請して、このあたりは緊急配置を張りました。出歩くことはできません」

   サイレンの音が響き渡る。
   照明が赤に変わる。



菊の声「なんだい。このけたたましさは。うるさいねえ」

   菊がやってくる。
   手にはすりこぎ?

百合「お母さん・・・」
菊「お嫁さん、持ってきたよ。おいしい山芋がすれるよ」
桃子「鬼の角」
菊「え?」



   鬼が現れる。

鬼「へへ。おなつかしい。俺の角だ」
百合「お母さん!」
みんな「菊さん!」

   同時に叫ぶ。

桃子「(携帯取りだし)犬山?すぐ来てちょうだい。・・・吉備団子?後からあげるから」

   鬼、帽子をとる。
   片側には角が生えている。もう片側は折れている。




雪「お、鬼だあ~」

   後ずさり。腰を抜かしたり。
   犬山がやってくる。

犬山「お待たせしました。犬山、参上しました」
桃子「猿川とキジ原はどうしたのよ」
犬山「来ません。桃子さん、吉備団子ケチるから」
桃子「国も経費削減なのよ」
犬山「みなさん、これを」

   犬山、みんなに豆を配る。

犬山「さあ、鬼めがけて投げて」
桃子「一斉に鬼は~外よ」

   みんな、豆を持ち、ふりかぶる。



百合「これ投げると、鬼はどうなるの?」
桃子「みんなで投げれば、死ぬかもしれません」
百合「死ぬ?」
桃子「悪は滅びるのです」
百合「でも悪い人、鬼、じゃなさそう」
桃子「でも鬼は鬼です」
浦島「殺すの、やめよう・・・」

   みんな、手を降ろす。

桃子「ダメです。みんなで殺してください。みなさん、幸せになりたくないんですか!私のおじいちゃんやおばあちゃんがどれだけ苦労してきたか」
夕子「みんな感謝してるって。(みんなに)ねえ」

   みんな、そうよ、そうよ。

桃子「わかってません。私だって、本当は鬼退治なんか・・・」

   鬼、菊の手から角を取り上げようとする。

菊「これは小夜子さんの嫁入り道具」
鬼「すいません。これ僕の落としものなんです」
菊「落ちていて、すりこぎにちょうどいいなと」

   菊、手を放す。
   角は鬼の手に。




百合「そんな・・・」 
鬼「これでよし」

   鬼が角を頭にはめようとする。


その6に続く。


 

鬼と私の居ぬ間に その4

カテゴリー │ブログで演劇

   帽子をかぶった男がやってくる。



男「おかしいなあ。どこ行ったんだろう?(上を見て)空から飛んできて、(頭さわり)あの電線に当たったんだよな。物質には目ってもんがあって、その目をタイミングよく切り裂くと、切れないはずの固いものもすぱっと切れてしまう。そんな感じだったんだろうな。まさか電線でなあ。あ、カラス」

   カラスの鳴き声、カーと一声。

男「くそっ。馬鹿にしてんのか。(カラスに)わ~」

   カラス、カー、カー鳴きながら飛び去っていく。

男「ここで折れたのは間違いない。あ、カラスの奴持ってったのか?カラスめ~俺の折れた角かえせ~」 

   男、カラスが去った方向を見ている。

男「こんなんじゃなあ。俺が鬼だと言っても誰も信じちゃくれない。何より、鬼としての力が、そうだな。1%、いや、0だな。まったく出やしねえ」

   男は鬼だった。

鬼「(自らを見て)ただの気のいいおっさんじゃねえか。だからカラスにもなめられるんだ。雰囲気だけでも鬼のように」

   鬼、自らを鼓舞し、鬼のように怖そうにふるまおうとする。

鬼「駄目だ。負のオーラがまったく出ない。どこだ~。俺の角~。鬼の角返せ~」

   鬼、去っていく。
   桃子がやってくる。

桃子「おかしいなあ。確かに鬼波はこのあたりだけど、あまりに弱すぎる。警戒して、どこかに潜んでいるのか。不気味だ。だからこそ、フルパワーになった時が怖い」

   桃子、去っていく。
   浦島と小夜子が買い物袋を提げてやってくる。
   浦島は似合わない派手なセーター着ている。胸に大きなくまさんのアップリケとか。




浦島「小夜子さん、どうしてもこのセーター私には若すぎると思うんだけど」
小夜子「そんなことありませんよ~。ぴったりですよ。私、お母様にはいつまでも元気でいらして頂きたいから」
浦島「(うれしいはうれしいが複雑)そうねえ」
小夜子「今夜は私の得意な山芋料理をつくりますよ。山芋を丁寧にすりおろして」
浦島「ごめん。すり鉢はあるんだけど、すりこぎ折れちゃって」
小夜子「花咲商店にすりこぎありましたよ。よさそうだったんで、予約しときました」
浦島「ありがとう」

   宇佐山と亀村がそろってやってくる。

浦島「あ」
宇佐山・亀村「(やばいという感じ)あ」
浦島「さあ、歌の練習しますよ」
宇佐山「もういいじゃない」
亀村「うぷ。(笑いこらえられない)浦島さんそのセーター」
宇佐山「あは。かっこわる~い」

   ふたり、笑いだす。

浦島「え?おかしい?ねえ。小夜子さん、このセーターおかしい?」
小夜子「そんなことありませんよ。お母様。(ふたりに)謝ってください。私のお母様に謝ってください!」
宇佐山・亀村「だって~」

   ふたり、笑い転げている。
   桃子がやってくる。

桃子「(携帯持って)鬼波が少しずつ強くなっている。みなさん。安全な場所に避難してください」
宇佐山「(笑いながら)ひなん~?」
桃子「事態がつかめないと思いますが、国からの強制的な避難命令です」
亀村「(笑いながら)何言ってんの~、この娘?」
宇佐山「おかしな人ばっかり」
亀村「ねえ」

   百合、雪、夕子がそろってやってくる。

百合「桃子さん何やってるのよ。鬼のあなたが追いかけなくちゃ、鬼ごっこにならないよ」
桃子「私は鬼なんかじゃない。鬼がこの近くにいるのよ!」

   しーんとしている。

夕子「よくわからないけど、駄目よあなた、ルール守らなきゃ」
雪「あなた、じゃんけん負けたでしょ?私たちパーだして、あなただけがグーで負けた。だからあなたが鬼なの」
桃子「私の名前は吉備野桃子。桃太郎の末裔です」
百合「ももたろう?昔話の?桃から生まれた?」
桃子「桃から生まれたのは初代桃太郎だけです。結婚して・・・」
百合「桃太郎って結婚したんだ」
桃子「以来、男の子なら桃太郎。女の子なら桃子と名付けられ、代々、鬼退治をしてきました」
全員「鬼退治~」
桃子「大和の時代から江戸、明治、大正、昭和、そして平成の今でも世の中の悪いことはすべて鬼の仕業といっても過言ではありません。戦争や飢餓、兄弟げんかも」
雪「兄弟げんか?おやつの取り合いも?」
桃子「そうです」
浦島以外「へえ~」
桃子「私は第28代の桃子です。過去には個人で鬼退治していた時代もありますが、私は国の組織に属して活動しています」
百合「国家戦略室別室・・・」
桃子「はい。正式名称、鬼対策特命1課」
小夜子「近くに鬼がいるんですか?」
桃子「はい」

   みんな固唾を飲む。



浦島「(手をぽんぽん叩き)お遊びの時間は終わりだよ。(桃子に)あなたね、人をだますのは止めなさい。狼少女になっちゃうよ」
百合「そうだね。そんな話あるわけない」

   みんな、そうね、そうね。

桃子「あ、鬼波が急に上がった!」


その5に続く


 

鬼と私の居ぬ間に その3

カテゴリー │ブログで演劇

   走ってきた桃子と肩と肩がかすかに当たる。

百合「イタ」

   百合、大げさな感じでよろける。

桃子「す、すみません。お怪我は?」
百合「ちょっとぶつかっただけだから、アタッ、あなた見かけによらず」
桃子「急いでいたので。もし何かありましたらここへ」

   桃子、名刺を1枚出し、百合に渡す。



桃子「肩が砕けたとか外れたとか」
百合「(読んで)国家戦略室別室 1課 吉備野(きびの)桃子」
桃子「ところでこのあたりで何か変わったことはありませんでしたか?」
百合「変わったこと?私、今日、久しぶりに来たので」
桃子「わかりにくかったですね。言いなおします。このあたりで想像しがたい出来事があったり、もしくは、想像しがたい生き物に遭遇しませんでしたか?」
百合「は?もっとわからないんですけど」
桃子「遭遇してないようですね」

   桃子、携帯取りだす。ぬいぐるみなどストラップがぐちゃぐちゃついている。

桃子「こちらピーチ。X地点に到着しました。今のところ異常ありません。ドーゾ。・・・了解しました。調査続けます」
百合「何の調査?」
桃子「一般市民には内密なもので。もしも知られるとパニックが」

   桃子、わざとらしく口をつぐむ。

百合「パニック~。面白そう。教えてよ」

   百合、桃子を背中から抱えこむ。

桃子「ム、ムリです。一般市民を巻き込むわけにはいかないんです」
百合「殺人犯が人質とってたてこもったとか。私、体力には自信あるの」

   百合、空手のフリ。

桃子「そんな問題じゃない。例えば・・・」
百合「何思いだそうとしてるの?」
桃子「地球上の強い人」
百合「え~と。ヒョードル。エメリヤーエンコ・ヒョードル。人類最強と言われている」
桃子「誰ですか?それでいい。そのひょーどるが来ようが、かなわない相手なんです」
百合「ますます興味わいちゃう。わからずやのばあさんのことはいい。そのヒョードルでもかなわない生き物をつかまえるのに私を1枚かませてよ」
桃子「遊びじゃないんです。あなたの命の保証ありませんよ」
百合「日本にいたころ好きだったんだ。家政婦さんや町内会長やフリーのルポライターが活躍するテレビドラマ」



桃子「失礼します」

   桃子、百合に敬礼をして、速足で歩きだす。

百合「待ってよ」
雪の声「待て~」

   雪のすさまじい声が聞こえる。
   桃子、びくっと止まり、ふりかえる。
   夕子が恐怖の顔で逃げてくる。

夕子「助けて~」
桃子「ん?」

   桃子、夕子の身を確保し、身構える。

桃子「(百合に)あなたも下がって!」

   雪が走ってくる。

桃子「え?」
雪「(雪国を歌い)追いかけて~、追いかけて~」

   雪、百合を見つける。

雪「百合じゃない。ひさしぶり~」
百合「雪」
夕子「百合?ひさしぶりで顔忘れちゃったよ」
百合「夕子ったら」
雪「どうしたの?コペンハーゲンから引き揚げてきたの?」
百合「ちがうよ。お母さんに会いに来たのよ」
夕子「私たちにじゃなく?」
雪「短い付き合いだったじゃない」
百合「付き合いは長さじゃないよ。そ、そうだ。雪と夕子にも会いに来たのよ。びっくりさせようと思って」

   たぶんそれはウソ。



夕子「百合、鬼ごっこやらない。雪とふたりでやってたのよ」
百合「鬼ごっこ?」
雪「ばかばかしいと思ったけど、やり始めるとはまるのよ」
夕子「(桃子に)あなたもやろう。2人より3人。3人より4人の方が面白い」
桃子「私?私は無理です。大事な任務中なんです。ごっこというよりホントの鬼・・・」
百合「やろう!鬼ごっこ!つかまえるぞ。にっくき鬼め」
雪「鬼が捕まえるんだけど」
夕子「丸くなって」

   夕子、みんなを丸くならせる。

夕子「じゃんけん」
桃子「え?」
夕子「ぽん」

   夕子、雪、百合はパー。
   桃子ひとりグー。



百合「さすが私たち気が合う」

   百合、夕子と雪の顔を見てうれしそう。

百合、夕子、雪「逃げろ」

   3人、それぞれ逃げていく。

桃子「遊んでる場合じゃない。大変なことが起きているのよ」

桃子、携帯を取り出し、画面を見る。

桃子「間違いない。確かにこの場所だ」

   桃子、走り去る。


その4に続く。



 

鬼と私の居ぬ間に その2

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   浦島、現れる。



   亀村や百合は気がつく。

亀村「(浦島の恐ろしい様子に)鬼・・・」
宇佐山「だから浦島よ。鬼ババの浦島よ」
浦島「わたしゃ鬼ババだよ」
亀村「(のんきに)あ~あ」
宇佐山「ご、ごめんなさい。わたし会長のこと鬼ババだなんて・・・」
浦島「始めるよ。ゴミ会議」
百合「ゴミ会議?」
亀村「(いやそうに)ゴミ当番が週に1回集まって反省するの」
百合「ゴミ当番?」
宇佐山「(いやそうに)ゴミの分別の違反者はいないか毎朝見張る当番」
浦島「百合さんがいたころはなかったわね。やだやだ。近頃の人たちは。あ~あ。昔はよかった。・・・でも」

   浦島、にやっと笑う。

亀村「鬼が笑った」



浦島「息子の嫁になる娘が今日来るんだよ」
百合「ああ。おめでとうございます」
浦島「今どき珍しくいい娘でね」
百合「お宅に来るんですか?」
浦島「ここだよ。わたしゃ、人と会うのはたいてい外」
宇佐山「家だと汚れるんだって」
亀村「喫茶店じゃ金かかる」
浦島「さあ、いつものように歌うよ」
百合「歌?」
宇佐山「浦島さんが考えたのよ」
浦島「ゴミの分別あいうえお」

   『一月一日』の前奏が流れてくる。
   菊が『一月一日』を歌いながらやってくる。




菊「と~し~の~は~じめ~の~ためし~とて~」

   音楽止まる。

浦島「菊さん。お嫁さんのお帰りだよ」
百合「おかあさん・・・」

   菊、百合の姿を見ると、きびすを返す。

宇佐山「わたしたち帰ります」
浦島「あ、歌がまだだよ」

   宇佐山と亀村、さっさと去っていく。

宇佐山「(亀村に)逃げ足は速いわね」

   ふたり、並ぶように去る。

浦島「菊さん待ちなさいよ」

   菊、どんどん歩いていく。

浦島「(百合に)止めなさいよ」
百合「はあ・・・」
浦島「何やってるのよ。行っちゃうよ。さあ」

   浦島、百合の肩を抱きかかえ急かす。

百合「おかあさん。待って」

   菊、少し止まるが、すぐに歩き出す。

百合「おかあさん。待って!わたしの話を聞いてください!」

   百合、渾身の声を出す。

菊「(止まって)大声でわたしを殺す気かい?」
百合「そんな。そんなことありません」
菊「帰りなさい。わたしゃあんたに用はないよ」
百合「新しい家にはお母さんの部屋もあります。菊夫さんもお母さんが気に入るようにって一生懸命考えて」
菊「どうせ菊夫のさしがねだろ?」
百合「いえ。私もお母さんと一緒に住みたいんです」
浦島「菊さん、お引っ越し?」
菊「この人たちどこに住んでいるか知ってる?」
浦島「さあ?東京?」
菊「コペンハーゲン」
浦島「・・・新しいお菓子?」
百合「北欧にあるデンマークの町です。主人と小さな家具屋をはじめまして、子供たちもずいぶん慣れてきたんですよ。家を建てて、お母さんも呼ぼうって」
浦島「ずっとそこで住むんだ」
百合「ええ。主人の作る椅子がデンマークの有名な家具のコンクールで賞をとったんです。新聞で日本人の顔をしたデンマーク人だって」
菊「菊夫は正真正銘の日本人だよ」
浦島「菊さんもそのデンマーク人ってのになるんだね」

   小夜子、やってくる。



浦島「来た来た。うちのお嫁さんだよ」
小夜子「まだ半年後ですよ。お母様ったらあ」
浦島「つい待ち遠しくて」
小夜子「みなさま、今度浦島家に嫁入りします中山小夜子と申します。小さい夜と書いて」
百合「中山小夜子?小夜の中山みたい。気をつけなさいよ。身重の女が切りつけられた話だから」
小夜子「大丈夫です。結婚したら浦島小夜子ですから。ね、お母様」
浦島「(うれしそうに)そうよお」
菊「つい長居した。店が心配だ。戻るよ」

   菊、歩いていく。

百合「(つぶやくように)お客さん来ないくせに」
菊「(ぴくんと止まり)大きなお世話だ」
浦島「花咲商店は客が来ないのに存在しているのがすごいのよ」
菊「ありがと。ほめてくれて」

   菊、すたすた歩いていく。

百合「お母さん、私、あきらめませんから。必ず親孝行させてもらいますから」

   菊、ふりかえらず、歩き去る。

百合「覚悟していてくださいね」
小夜子「お母様、行きましょう。お買いものの前にカフェでお話しませんか?おいしい紅茶とクッキーがご自慢らしいんです」
浦島「いいよ。お金がもったいない」
小夜子「心配しないでください。毎日のOL生活でコツコツためてきましたから。たまには大事な新しいお母様のために」
浦島「(涙ぐみ)小夜子さん、いい娘(こ)だねえ。ほんとの娘のようだねえ」
小夜子「(百合に)さようなら」
百合「さよなら」

   小夜子と浦島、去っていく。
   小夜子は浦島をいたわるように。
   
百合「さあ。花咲商店に乗り込むぞ」

   百合、決心したように歩き出す。


その3に続く。

※登場人物の名前に昔話に関連する言葉が入ったりしている。
ふたりきりで鬼ごっこを始めるのは、雪と夕子。
白雪姫と夕鶴である。
ゴミ当番が嫌なふたりは宇佐山と亀村。
ウサギとカメである。
ふたりが恐れるのが鬼ババと呼ばれる浦島。
浦島太郎である。
浦島家の嫁は中山小夜子。
小夜の中山である。
菊と百合の親子もセリフではまだわからないが、
その1の登場人物表にあるように、苗字は昔話らしい。



 

鬼と私の居ぬ間に その1

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鬼と私の居ぬ間に


登場人物

花咲菊
花咲百合
白井雪
鶴田夕子
宇佐山里代
亀村好美
浦島浜恵
中山小夜子
吉備野桃子
犬山芝三
家具屋姫
侍従




   
   何か落ちている。突起物。
   菊がやってくる。
   拾う。



   菊、去っていく。
   男がやってくる。
   何かを探している。



   首をひねりながら去っていく。
   雪が走ってくる。
   何かを探している。




雪「どこ行った」

   夕子が反対からやってくる。



夕子「雪」

   雪、探している。

夕子「雪!」
雪「夕子」
夕子「何か探しもの?」
雪「息子。追いかけなきゃ」

   雪、走り出す。

夕子「待ちなさいよ」
雪「あのガキ~」
夕子「雪、あんた見かけるといつも息子を追いかけてるね」
雪「やだ。そんな言い方すると、わたしの人生すべて息子みたいじゃない」
夕子「そんなこと言ってないよ」
雪「また塾さぼって、どこか遊び行っちゃったのよ」
夕子「今どき元気があっていいじゃない。あんたも息子に負けずに遊べば?」
雪「わたしが追いかけると、鬼さんこちら~って、あいつ・・・」
夕子「鬼ごっこしよう。雪!」
雪「わたしのこと鬼って・・・」
夕子「じゃんけん」
雪「え?」
夕子「ぽん!」

   夕子、グーを出す。
   思わず出した雪はパーを出す。

夕子「わたしが鬼。雪、逃げて」

   夕子、追いかける。

雪「え?えええ~」

   雪、逃げていく。
   ふたり、去っていく。
   百合がやってくる。

百合「はるか彼方からやってきたみたいだ。でも、遠いと言ってもたかが地球。将来火星に住む人が出てきたら、火星から里帰りするのかしら」

   ため息をつく。



   宇佐山が走ってくる。

宇佐山「あら?百合さん?」
百合「ども。うさぎ・・・」
宇佐山「うさぎじゃないわよ。宇佐山よ」
百合「すみません。ずいぶんひさしぶりで」
宇佐山「ご家族も一緒?」
百合「いえ。わたしひとりで」
宇佐山「そう~」
百合「宇佐山さんもおひとり?」
宇佐山「一緒に来たんだけど」

   亀村がゆっくりやってくる。

宇佐山「亀村さん、遅いよ」
亀村「あなたが早すぎるのよ」
宇佐山「時間に遅れるとまたこれが」

   頭から指をつきたてる仕草。鬼を表す仕草。

亀村「何?これ?」

   亀村も同じように指つきたてる。

宇佐山「これがこれするじゃない」

   宇佐山は鬼が怒ると言いたいのだ。




亀村「牛が」
宇佐山「ちがうわよ」

   また仕草をする。

亀村「闘牛がモーと突進する」

   宇佐山、あきれてのけぞる。

亀村「あわてた闘牛士がひっくりかえる」
宇佐山「ちがうって。またあの鬼が怒り狂うでしょ!」
浦島の声「(おちつき払った声で)誰が怒り狂うって?」

その2に続く。

※写真はまこりんが撮ってくれたものです。
2010年4月17日に磐田市アミューズ豊田 ゆやホールで公演した舞台写真です。



 

鬼と私の居ぬ間に マイナス1

カテゴリー │ブログで演劇

14日(土)は14時から、いわた表現の会からころの定例会。
毎月第2土曜の14時~17時、磐田市の西貝公民館に集まって、
表現活動を行っている。
かつては年1回公演を行っていて、2011年まで7回の公演を行ってきた。
とは言え、メンバーも本人の事情や家庭の事情などで
公演の準備に時間を割けなくなったりして、
以来公演は行われていない。
公演を行うとなると、当然月1回3時間の集まりだけでは済まなくなる。
最終的には毎週土日が練習日になる。
公演に至る環境が整っていないということだ。
ただ、やろうと思えばできないわけではない。
公演の形はいろいろあるだろう。
その件も含め試行錯誤しながら、
変わらず、月1回第2土曜には集まっている。
誰かしら参加し、
何かしら、活動する。

そんないわた表現の会の公演で2010年に行われたのが
「開~わたしが前に進むために~」。
演劇の他、朗読など、いくつかの表現を組み合わせるのがからころ公演の常。
この時、演劇作品として上演したのが
「鬼と私の居ぬ間に」だ。

その紹介文。

子供たちが鬼ごっこをしているのを呼びに来る親たち。
姿が見えない。
どうやらどこかの家へ新作のゲームをやりにいったらしい。
おいしい手作りのおやつが出るらしい。
お土産を期待する。
話をしていてふと思う。
なんで私たち親は子供のことばかりしゃべるのだろう。
鬼ごっこか・・・
いきなりじゃんけん。2人きりで鬼ごっこが始まる。
鬼ごっこの仲間が増えていく。
鬼ババと呼ばれているもの。
鬼嫁と呼ばれているもの。
それどころじゃない中、鬼ごっこは続く。
「鬼さんこちら、手のなる方へ」
加わる男。
頭に包帯している。
実はほんものの鬼。
折れた角を探しに来た。
本当は人を食べ、怒ると世界を滅ぼすほど怖いが、角がないと、てんで人がいい。
みんな、鬼であることを知るが、誰も信じない。
勉強しない子供を怒ってくれとか都合のいい要求。
まるで正義の味方のように扱われる。
たとえば秋田のなまはげのように。
腐った世の中、いっそダーティーヒーローの方が求められる。
弱ってしまう鬼。
鬼の中でも見習いの自分に疑問を感じる。
このままではいけない。
もっと悪くならなければ。
しかし見つからない角。
角はどこにある?
ずっと長くやっている駄菓子屋がある。
ひとり暮らしの女主人の子供は海外でショッピングセンターを開き、成功して嫁や子供たちと一緒に住んでいる。
客の来ない駄菓子屋をたたんで、一緒に住まないかと言われている。
そして嫁は母を説得するため、夫に頼まれてやってきた。
頑固な母に、業を煮やし、鬼の手を借りることにする。
どんな手を使ってもいいので、店をたたんで、この地を去るよう仕組んでほしい。
そのためには礼はたっぷりとする。
角のない鬼がいくら怖がらせても女主人はどこ吹く風。
国の秘密機関である特別防衛庁のメンバーである桃子が鬼退治にやってくる。
メンバーはほかに犬田、猿川、キジ原の二匹と一羽、いや三人がいる。
聞けば、対象は宇宙人やかっぱなど多岐に渡るそうである。
世間を騒がしてはいけないので、あくまで国家機密で、内々に行われている。

写真は公演時の自分。




 

アルス・ノヴァで「芸術祭・福祉・インクルージョン」トークイベント

カテゴリー │いろいろ見た

10日(火)入野町のアルス・ノヴァで
「芸術祭・福祉・インクルージョン」のトークイベントに参加した。

以下、メールでご案内いただいた文章のまま。


『芸術祭・福祉・インクルージョン

ゲスト:栗栖良依

上田假奈代

アサダワタル

久保田翠

日時 :2月10日(火)19:00~

場所 :のヴぁ公民館(浜松市西区入野町9156)



2014年横浜トリエンナーレにおいて、横浜パラトリエンナーレが開催されました。

「”障害者”と”多様な分野のプロフェッショナル”による現代アートの国際展」を
テーマに、魅力的なプログラムが展開されました。

そのアートディレクターを務めた栗栖良依さん、

大阪府西成区のおっちゃんたちとアートを結ぶ活動を行い、今回の横浜トリエン
ナーレにも参加した、こえとことばとこころの部屋(ココルーム)の上 田假奈
代さん、

日常再編集(にちじょうさいへんしゅう)”をテーマに、音楽、まちづくり、教
育、障がい者福祉などあらゆる分野を渡り歩きつつ活動するアサダワタ ルさん、

3氏と、レッツ代表の久保田翠が、芸術祭の意義、これからのアートのこと、
ソーシャルインクルージョンのことなど、話し合っていきます。』


レッツのみなさま、今年も路上演劇祭よろしくお願いします!!  寺田

参加できなかったが、
17時からは「今まで知らなかったグッズと人に出会える本」出版記念のトークイベントも開かれた。
写真の一番右の黄色の本が同書。





 

シネマイ~ラで静岡文芸大デザイン学部 先端映像表現研究チームMASCOT作品上映会を観た

カテゴリー │いろいろ見た

8日(日)19時~
主催はデザイン学部/古田祐司研究室

チラシのキャッチコピーに

夢見るキャラクターたち 
平面性の叛乱  
リアルの向こう側  
変性する物語  
魅惑のシミュレーション

とある。

なるほど。
上映された学生やゲストの森野和馬さんの作品を見て思う。

どの作品にも共通すること。
それはCGである。
CG作成ソフトを覚え、使いこなし、
自らが思う作品に昇華させる。

ゲームや映画やテレビで観る映像を
作っている人たちが確かにいるんだなあと、
自作の紹介のために登壇する若い学生たちをながめながら思った。




 

静岡文化芸術大学で「メディアデザインウィーク2015」を観た

カテゴリー │いろいろ見た

8日(日)静岡文化芸術大学で2月1日~8日
講演や展示会が開かれていたのだが、
最終日の終わり近くに展示会のみ伺う。



メディアデザインって何でしょうかね。
メディアは媒体でしょうか。
新聞とかテレビとか。
CDとかUSBもいいますかね。
媒介。
間にはいるもの
仲立ち。
仲介。
つなげるもの。
何と?
人と。

それを学ぶ学生たち。
静岡文化芸術大学には
文化政策学部とデザイン学部があります。
今回僕が観た展示会は作品展示だったので、
主に関わったのはデザイン学部でしょうか?

デザイン学部には
生産造形学科
メディア造形学科
空間造形学科
があります。
出てきました。
「メディア」

映像作品があります。
ゲーム作品があります。
アプリ作品あります。
紙媒体もありました。
バブル時代のあれこれを絵巻物にした作品もありました。

「梅平おばあちゃん図鑑」という作品があり、
学生さんの出身地(だったと思う)で
おばあちゃんやおじいちゃんに話を聞き、写真を撮って
図鑑にした。
この作品を取材対象のご本人にも差し上げたと思うが、
御家族はじめさぞかし喜んだと思う。
というのが伝わってきた。



(勝手に撮影してよかったですか?ダメならご指摘ください)

瞑想空間と言う不思議な部屋でも展覧会が行われていた。
ここでは身体の動きを認知して、
キャラクターが動いたり
音符が現われ音楽奏でたり
絵がとめどなくあふれ出たり
体験型の作品。
ただし案内と言うかやり方の説明が必要。

この後、映画館シネマイーラで19時から行われた
MASCOT on Screen 2015にも行った。
それについては次回。


 

PLATへ報告会「~人、まち、未来につなぐ“糸”になる~」に行った

カテゴリー │演劇

7日(土)14時~16時
穂の国とよはし芸術劇場PLATで
人材育成事業 ワークショップファシリテーター養成講座の報告会。

僕は昨年7月17日~8月31日の全7回行われた【前期】に参加した。

【後期】は〖まちに聞く、考える〗というタイトルで
11月22日~2月7日の全9回行われた。
はままつ演劇・人形劇フェスティバルと重なることもあり、こちらは参加しなかった。

4チームに分かれ、取材を元に、1月25日に発表会を行ったそうだ。
残念ながら、風邪をひき観に行けなかった。
アトリエマルエス、菊の湯、水上ビル、花園商店街が取材先と言うことだった。
報告会によると4か所とも「消える」というのがキーワードになったそうだ。

僕も5月23日(土)に浜松街中で行われる
路上演劇祭JAPAN in 浜松2015で、
「街歩き」から始める演劇作りをしようと考えている。
まったく同じであるが、これはヒストリーワークショップという手法らしい。
3年前の路上演劇祭でも当初計画していた。
この時は、もろもろの理由で実現に至らなかった。
今回はぜひ実現したい。

ただ今参加者募集中!!
みなさんよろしくお願いします。






 

浜松いつかミュージカル研究会をひとりで立ち上げた

カテゴリー │思うこと

浜松いつかミュージカル研究会をたった今立ち上げました。

文字通り、「浜松の地で、いつか、ミュージカルを上演するために、研究をする会」です。

さっそくブログを開設しました。

「浜松いつかミュージカル研究会のブログ」にて。

メンバーがもし集まれば、
集まる機会を設けたいと思います。