浜北文化センター本館3階文化活動室でオトナ青春団「喫茶ひだまり」を観た

カテゴリー │演劇

3月31日(日)14時~

浜北文化センターは、大ホール、小ホールとあり、そちらで演劇を観ることがあるが、この日の会場は、「本館3階 文化活動室」。

オトナ青春団の公演は、他の劇団とのコラボ公演は観たが、単独公演は、初めてかもしれない。

始まるまで出演者は楽屋にいて、受付には別に担当者がいて、というのとは違い、
これから演技を始めるであろうメンバーが、出迎えてくれる。

ここから演劇は始まっていると思えるのは、30分ほどの作品「喫茶ひだまり」が上演される前に、
「なにもない空間で起こった何かが演劇」と言うような、演劇への考えが語られたりする。

オトナ青春団の自己紹介がされ、いつ始まり今に至る行程を即興でエンタメ化。

続いて、入場時配布された用紙に記された二人の短い対話から、
観客は連想する状況を考え、俳優がそれを演じるゲームをする。
これなど、演劇の解釈は観客の頭の中次第というひとつの実験。

次に、喫茶店のメニューというテーマで、観客はバラバラな言葉のカードをランダムに選び、新メニューを開発する遊び。
これは、創造活動が行われる過程の検証でもある。
脳内でランダムな連想ゲームが行われ、新しい発想が生まれる。

そのような、いくつかのアイスブレイクを経て、本編は始まる。
アイスブレイクは演劇ワークショップでも様々な手法があり、新たな生活が始まる企業研修などでも活用される。
落語の枕も、
さだまさしのコンサートの長いMCも、
時候の挨拶「今日はいい天気ですね」もそのようなものかもしれない。

偶然生まれた三つの新メニュー案から、最も賛同を得たメニューが、
本編で演じられる喫茶ひだまりのメニューにも採用される。

どんな劇団も固有性があり、
それを楽しみに観客は訪れる。

僕はかつて、この劇団の演劇をミュージカルと評した記憶があるが、
これは僕のミュージカルに対する解釈が広すぎるからかもしれない。

劇団四季とか、宝塚とか、ブローウエイミュージカルがミュージカル!というイメージはあまりなく、
能や歌舞伎もミュージカルと思ってしまうこともあるし、
そもそも、歌舞音曲というのが根本的に大好きなので、
世のお祭りなんかもミュージカルにも見える時もある。

小さな子供たちが、歌ったり踊ったり、叫んだりしていれば、その姿はミュージカル的とも言える。

帰り際、出演者に「ね。ミュージカルではないでしょ?」と言われたが、
僕の中では、ミュージカルだなあという気持ちに変わりはない。
一般的なミュージカルの概念はあまり関係がない。
音楽劇とかオペラとかオペレッタとレヴューか、ふさわしい言葉を当てるべきだとも思うが、あまりそこに関心はない。
僕がミュージカルだと思った時、そこには“歌舞音曲”がある。

当然舞台の大きさも立派な衣装や舞台セットもオーケストラがいるいないも関係ない。
ただし、きっとオトナ青春団は、ミュージカル劇団と名乗ることはないだろう。

演出家ピーター・ブルックの書いた「なにもない空間」は、以下の文章で終わる。
“劇(プレイ)は遊び(プレイ)である”。

浜北文化センター本館3階文化活動室でオトナ青春団「喫茶ひだまり」を観た




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