国立能楽堂で観世九皐会「別会」を観た

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4月21日(日)13時~

東京・千駄ヶ谷にある国立能楽堂には初めて行った。
ふと思いつき、前日の世田谷・路上演劇祭JAPANと合わせ、一泊で行くことにした。

僕が暮らす浜松に静岡県文化芸術大学があり、数年前まで能楽師の教授がいて、
毎年学内で薪能が行われていた。
能楽師たちによる能の上演と前日は能についての講義もしくは現代劇の上演という取り合わせで、
僕も何度か観た。

と言っても薪能が始まった頃のことで、その後は平日ということもあり仕事や用事で行けず、
その内、教授の退任により、イベントは終了してしまった。

僕がたまには古典芸能も観たいなあと言う時、
心の底で沸き立つ欲望から言っているのではない。
「演劇に関わる者として、勉強のためにも観なきゃなあ」
という建前が入る。

かなり前だが、同様に、たまには古典芸能でもと、歌舞伎座に行った。
この時は、先ずはその興業として出来あがった形に驚いた。
それはあらゆる項目に至り、特に気に入ったのは、飲食しながら鑑賞できること。

感想は一言、「演劇じゃん」。
ただし、これは作り上げられたエンターテインメントとしての価値に感嘆したのだと思う。
例えばディズニーランドやUSJのように。
それから何度か足を運んだが、これもずいぶん前のこと。
2013年にリニューアルしてからは行っていない。

そんな古典芸能にあまり縁のない僕が、今回行くに至ったのは、
「風姿花伝」を現代語訳で読んだからだ。
以前、岩波文庫の原文でページをめくったが、
これも原文で読まなきゃなあの建前付きで、
あまり読んだ経験にもならぬままページを閉じていた。

3月20日に鴨江アートセンターで「二人」という公演で「名のなき人」という演目を上演したが、
そこで思うところがあり、あらためて「風姿花伝」を読み直したのだ。

それがまた、現代の演劇にも通じる芸術論で、うなずくところがたくさんあった。
路上演劇祭を観るために東京へ行こうと考えていたため、
能を観るなら国立能楽堂と、単純に結びつけた。

最寄り駅の千駄ヶ谷駅でカフェにでゆっくりして向かおうと思ったが、
駅のそばの店は混み合い、他にそれらしい店は見当たらない。
結局、開演の1時間くらい前に着いてしまった。

歌舞伎座へ行った時と同様、見物すべきは舞台の上だけではない。
劇場や近辺の様子、エントランス、ロビー、売店など様々な要素で成り立っている。

前日充電を切らし、なおかつ充電器を忘れてきたので、
久しぶりにスマホなしの一日を過ごしていた。
門構えや庭など写真に収めたいと思ったが、出来なかった。

建物の中にも中庭、食事処があり、資料展示室や図書閲覧室もあるようだ。
開演前に資料展示室へ行こうと思ったが、立ち入り禁止の注意書き。
スタッフになぜか確かめるのも気が咎め、見ることは出来なかった。

着物姿の方や、おそらく謡をたしなまれている関係者らしい方も多かったので、
場違いな気がしていたが、しばらくするとTシャツ姿の若者や外国人の客も現れホッとした。

実は行く前に服装をどうしようか悩んだ。
ネットで調べたら、GパンやGジャンは遊び人風で止めた方がと指摘されている方もいた。
男性ならシャツにスラックスなら大丈夫とあったが、
前日は戸外で演劇を観るので、ジャケット着ていくのもなあと、
出発前、何着か着たり脱いだりしていた。

番組は
連吟 山姥
能 隅田川
狂言 呂漣
仕舞 姨捨
能 船弁慶

観世九皐会は、能楽の演能団体で、能楽五流の内の観世派の一派とある。
約40名のプロの能楽師が所属している。
神楽坂にある能楽堂、矢来能楽堂を所有し、定期的に能楽公演が行われている。


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