ひえひえ漫画 「ソフトクレイムおばさん」

カテゴリー │段ボール箱より

これは僕が相当昔に描いた漫画。
「サンディー&イッツィー物語」という話の中で登場するキャラクター
ソフトクレイムおばさんとダブルソーダおじさんが出てくる番外編として描いた。

2人は夫婦で、冷蔵庫の冷凍庫に住んでいる。
近くのガレージではロックバンド「モーニング・セット・スペシャル」のメンバーたちが
ドカドカうるさく練習をやっている。
はっきり言って、近所迷惑である。
ソフトクレイムおばさんは激しく文句を言いたいのに、外面がいいので言えない。


【登場人物】
・ソフトクレイムおばさん
他人に厳しいクレーム体質だが、外面はいいので、クレームはソフトに言う。
だから、ソフトクレイムおばさんと呼ばれる。

・ダブルソーダおじさん
クレイムおばさんの夫だが、妻の外面のよさの反動の犠牲になり、
常に虐待されている。
ダブルソーダアイスの割れ目を真っぷたつに割られそうになる。
口癖は「赤チンないか、赤チン」

・ホウレンソウ
保存のため、冷凍庫に入れられた。

右から数字の順番で読んでください。






 

掛川美感ホールで演劇集団es十周年公演「街は微笑みを」を観た

カテゴリー │演劇

20日(日)13時30分~
11時から路上演劇祭のチラシの挟み込みをさせてもらった。
13時の開場まで時間があったので、
マクドナルドで時間をつぶす。

esの芝居をはじめて観たのは2006年1月の「例えばこの街のひとりごと」
いわた表現の会からころのメンバー何人かと観に行ったと思う。
そして、2006年の11月浜松演劇・人形劇フェスティバルユニットライブ公演「街は囁いて」では
僕もフィールド「ストリップ」で参加し、リハを拝見させてもらった。

実はどちらも今回の公演と舞台は同じ。
とあるバーである。
偶然にも「街シリーズ」すべて観た。

バーにやってくる客はみなひとりでやってくる。
そして、誰かと待ち合わせをしている。
コートを脱ぎ、バーテンはそれを受け取り、メニューを聞く。
客にふさわしいカクテルを作ると言い放ち、注文を受ける。

客たちは待ち合わせをしているというが、
本当は待ち合わせなどしていないのだ。
そして注文した飲み物はなかなか来ない。
バーテンがまるで時間稼ぎをしているかのように作りだした時間は
客たちを自ら語らせる。

そして、「不思議なこと」を起こす。
来ないはずの待ち合わせの相手が現われる。
そして、実現するはずのなかった対話を果たす。
その頃には飲み物も用意されている。

結果、客たちはそれぞれ抱える何かを解消し、
留まっていた足を前に進める。
バーを訪れたことによって。






 

シネマe~raで「そこのみにて光輝く」を観た

カテゴリー │映画

19日(土)18時30分~
以前シネマe~raで「海炭市叙景」という映画を観た。
どちらも原作は佐藤泰志という作家の小説である。

人は今いる場所で、貼りつくようにして生きているんだなあ。

生まれた場所でなくても
生まれた場所であっても
家族がいなくても
家族がいても
金がなくても
金があっても
その場所がきらいでも
その場所が好きでも

というようなことをいろいろ考えながら観ていた。

どの役者の演技もよく見えるのは
脚本も演出も地に足がついたふさわしい仕事をしているからだ。
そして、原作の舞台でもあり、ロケ地でもある函館の町は
特別な場所を映し出しているわけでもないのに、
誰の身にも平等にふりそそぐ陽の光のように
誰の身にも平等に存在する。





 

アクト大ホールで立川志の輔独演会「志の輔らくご in 浜松」を聞いた

カテゴリー │いろいろ見た

18日(金)18時30分~

入り口でも
「まんじゅうこわい」をやった前座の噺家も
浜松に月1度教えに来ているという長唄の方も

本日の独演会に「休憩がない」ことを強調していた。
前座さんも長唄さんも、
休憩がないので、自分がやっている時間が、
トイレに行くチャンスですよ、
と自嘲気味に後に続く志の輔さんの登場のための振り。

そういえば、アクト大ホール広い舞台には演目台も金屏風もない。
ただただ、やけに面積の広い高座がデンとかまえているだけ。

2階席の右端に座る僕も、
2階席までほぼいっぱいの客席を見回し、
何の因果で、こんな広い会場で落語をやることになったんだろう、
と思うが、
志の輔さんも冒頭で触れたように、
今回は浜松で開かれる30回目の独演会。

「県庁所在地でもない(志の輔さん談)」浜松で、
こんなことは珍しいかも。

僕も今はないフォルテホール(キャパ800でしたかねえ)で行われていた時に1度行った。
そのうち、年に2回は来るようになり、
フォルテが稼げる施設(遠鉄百貨店)に変わることになり、
会場は、もっと大きなアクトシティ浜松大ホールに移される。

お客さんが入るのだ。
大ホールは4階席まであるが、
演劇や歌舞伎などの公演では2階席までを開放して、
公演が行われることはある。
落語もここでやる時は、同様2階席までの開放で行われているのであろうか。

浜松で30回目の記念興行。
志の輔さんも1「回に2演目ずつやったとしても前回29回目までで、58演目・・・」
と、わざわざ今まで2演目ずつ演じていたことを披露。
「1本目で、ちょっと笑いが大目のをちょちょっとやって、笑わせといて、2本目、泣かせる話でほろっとさせて、一丁あがり・・・」
みたいに、今までの歴史を毒舌で振りかえる。

すべてはその日にやるネタへの振りだった。

「大河への道」

2011年1月にパルコ劇場でネタおろしをした新作落語。
印象に残ったという福山雅治主演の大河ドラマ龍馬伝にわく長崎での独演会の話から、
現地でのぞいたシーボルト記念館。
そこで観た伊能忠敬による日本地図。

さかのぼり、千葉県佐原市の伊能忠敬記念館で,
黒船が来航するよりも前に忠敬らが日本中を歩いて作成した伊能図と呼ばれる日本地図と
現在の日本地図と重ねると、わずかなずれはあるが、
ほとんど変わらぬ形に、感動した志の輔さんは
伊能忠敬を題材に落語を作ろうと思い立ったという話。

そして、ここからは架空の話。
千葉県で、2018年のNHk大河ドラマに、伊能忠敬を取り上げてもらうために、
自治体担当者らと脚本を依頼した若手脚本家の打ち合わせの場面。
ここで、忠敬の落語をつくろうとしたが、書いては消し、書いては消しで苦労した自らと重ねて語る。

終わると、前座から含め休憩なしの21時。
2時間近くしゃべっていたのであろうか。
演目台や金屏風がなかった理由も最後にわかった。

これは落語なのだろうか。
新作を2時間近くしゃべる噺家が今、ほかにいるのだろうか。
最後にオチがあれば、落語と言えるなら、
オチて終わったので、落語なのだろうが、
とても珍しい独演会を聞いた気がして、会場を後にした。

その思いは時間が経つとともに、より思う。

でもやはりアクトの大ホールは落語をやるには広すぎる。
2階席からじゃ、表情わからないもん。





 

劇部コーヒーメーカー春季公演「さよなら小宮くん」を観た

カテゴリー │演劇

16日(水)18時30分~
静岡文芸大のサークル劇部コーヒーメーカーの春季公演。
15、16と2公演行われ、
17、18日と体験入部が行われるようなので、
新入生対象の新入部員勧誘のための公演の意味合いもあるのだろう。

戯曲は、調べてみたら、かつて高校演劇の大会で上演された作品。
高校の演劇部は野球部が甲子園を目指すように、
地方大会、全国大会と、勝ち抜けば続く頂点を目指し、
日々演劇の稽古をする、という流れができている。

1時間と言う上演時間というしばりがあると聞いたことがあるが
(実際、大会に参加するもろもろの条件は僕は知りません)
1時間くらいの上演時間の、高校生たちが上演した作品が
毎年、たくさん作られていると言える。

とすれば、高校生演劇界の名作戯曲も生まれることになり、
それらはまとめられ、戯曲集になっているようだ。

とは言え、現役高校生が書いたもの
OBである元高校生が書いたもの
顧問の先生が書いたもの
その他の人が書いたもの
などが混在していることになる。

唯一の共通点は
甲子園がそうであるように
演じるのはすべて現役の高校生であること。
(これはルールがあるのだろうか。
戯曲は先生が書いてもいいが、スタッフは?照明は?音響は?
もしかしたら、役者も、高校生以外2人までなら登場可とか。
オリンピックでのサッカーの23歳以上のオーバー枠は3人まで可のように)

登場人物たちはクラスメイトであろうか。
小宮くんという同級生が、転校することになり、
クラスメイトたちが仲間の一人の家で、お別れ会を開く話。
小宮くんは遅れてやってくるのだが、
他の人たちもそれぞれ事情があって・・・。

実際の上演時間は70分くらいだった。
もしかしたら、本来戯曲の持つ想定する上演時間は60分くらいだったかもしれない。
テンポ等早めるともっと喜劇の要素が増したかもしれない。
それぞれの役者が、それぞれの役がもつ感情表現をストレートに出していた。
だから、小宮くんがそっと去っていく時、
寂しさを感じた。









 

路上演劇祭JAPAN in 浜松のチラシができた。

カテゴリー │路上演劇祭

路上演劇祭JAPAN  in 浜松は
5月25日(日)13時~18時くらい 
浜松市街中ZAZAシティ中央広場とその付近で行われます。
雨天決行ですが、屋根のある場所に変更となる可能性があります。
観覧無料








 

ニューウェルサンピア沼津に泊って思ったこと       

カテゴリー │静岡県西部演劇連絡会会報原稿

■ニューウェルサンピア沼津に泊って思ったこと       
                                             フィールド  寺田景一


つい最近、仕事で東部地域に2日通して行く機会があり、沼津にあるニューウェルサンピア沼津という施設に宿泊した。
滞在先が不確定だったので、当日、出先からネットの宿泊サイトで予約した。
探すキーワードは価格が安いということ。街中からは多少離れているが、車なので、広い無料駐車場はありがたい。
風呂は温泉。そんな理由で決めた。

ここはかつて、社会保険庁が厚生年金加入者の健康増進を目的として、全国各地にグリーンピアとかサンピアとかウェルサンピアとかの名称でつくられた各施設のひとつ。
それら施設のほとんどが大きな赤字だったため、すべての施設を売却、廃止されることとなり、民間や、自治体に権利は移り、さまざまな形に変わっている(例えば大江戸温泉物語とか)。
僕が泊ったニューウェルサンピア沼津もウェルサンピア沼津からニューがつき、民間会社により経営されている。

ただし、建設時、巨額の金が投入されただけあり、広々とした敷地に、宿泊施設、会議室、温泉、レストラン、テニスコート、プールなど充実した設備はそのまま利用されている。
愛鷹山のふもと小高い場所にあり、チェックアウト後、ながめたら、駿河湾とともに伊豆半島が一望できた。金をかけるってすごいなあ、と思った。

部屋に布団を敷きに来た従業員の方に、「ご年配の方が多いですね」と施設内で感じたまま伝えたら、「いろんな方がいらっしゃいます。今までは学生さん、これからは会社関係が多いですよ」という返答。
今までは大学のゼミやサークルの合宿、これからは新入社員の研修に使われるのだなと、すぐに理解した。

合宿といえば、僕がかつて在籍した劇団では、よく合宿を行った。
僕が入団したのはゴールデンウイークの少し前だったが、直後のゴールデンウイーク中の3日間、春野で合宿が行われるということだった。
いきなり合宿というのもなあ、と思ったが、演劇をやるつもりで入ったのだし、参加しない理由もなく、当然のように参加した。

合宿はいくつかの場所で行われたが、よく使用したのは、奥山半僧坊(方広寺)にある研修施設である。
ずいぶん過去の話であるが、大広間など畳敷きの部屋がたくさんあった記憶がある。
印象的なのは大広間。調べたら今も115畳の部屋があるようだ。

合宿の目的は、もちろん、演劇の稽古である。
座禅はしない。

僕は、この合宿がけっこう好きだった。僕は主に役者だったが、普段の稽古では、演出家のダメ出しに対し、修正して演技をするのだが、なかなかいい方向にもっていけないことが多かった。
やればやるほどダメになるってやつである。
平日の仕事終わりや、休みの日でも時間は限られているので、やってもやってもどうにもこうにもうまくいかないまま、時間切れということになる。

ところが合宿だと、時間があるので、いったんそのシーンはお預けにして、他の人のシーンに移り、時間を置いて、再度チャレンジということができる。
そして、最後に全体のおさらいで通したりする。
そうこうして、時間を使っている内に、何かがこなれてくる感じがする。
役が自分の中で一本、線が通ったというか。

それまで自分を勝手に縛っていた自意識が一挙に解き放たれた感じ。
今まで受けたダメ出しが、今、血となり肉となり、この場で再現された感じ。
役が自分のものになり、共演者や、脚本とも調和し、まさにその役が今を生きている感じ・・・となっていたかどうかはわからない。
長い時間同じような稽古をやった疲れもあるかもしれない。
判断基準も鈍っているのかもしれない。
寝食を共にし、同じ時間を過ごした慣れ合いもあるかもしれない。自分たちだけそう思っているのかもしれない。

でも、そう錯覚でもしてしまうような瞬間が、合宿では必ず訪れる。
よし、これでいつでも本番OKだ、と心強い気持ちで、合宿先を後にする。

といいながら、合宿後のいつもの稽古では、また同じようなダメ出しをくらい、変わってないなあ、と思ったりするのだが。
 
そういえば浜松にもサンピアがあり、何度か風呂に入りにいったなあ、と思い出し、少し調べたら、すでに閉鎖されていた。

 (4月6日号西部演劇連絡会会報より)

写真は朝、ニューウェルサンピア内で撮った。