立川談春独演会浜松公演へ行った

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18日(月)18時30分~
浜松市福祉交流センター

車で会場へ向かう。
併設の駐車場は満杯で近くの民間の駐車場をさがす。
最寄りは満車で少し離れた所へ止める。
雨模様だったが、止んでいたので傘なしで会場まで歩く。

一席目 雛鍔(ひなつば)

休憩後、

二席目 らくだ

どちらも高座では初めて聞く。
「らくだ」は自宅にある古今亭志ん生のCDをよく聞いていたので、
どうしてもそれとの比較になる。
前に談春の師匠である立川談志の録音も聞いたが、その時も志ん生「らくだ」との比較になる。
他の噺家の「らくだ」をほとんど聞かない男に言われるのもどうかと思うが、
談春と師匠の談志の「らくだ」はリアリズムの芝居のようである。
らくだとらくだの兄貴分と屑屋と月番と大家さんと八百屋が主な登場人物であるが、
キャラクターをしっかり演じ、人間ドラマをあぶりだす。
長屋に住む暴れん坊で嫌われ者のらくだの元に兄貴分が訪ねてきて、ぶっ倒れているらくだを見つける。
死んでいると思った兄貴分は後始末をどうしようかと考えている時に屑屋が通りかかる。
葬式代でもねん出しようかと屑屋にらくだの家に残った者を買ってくれというが、
今までも買ってくれと言われたが変えない、使えないようなのものしか残っていない。
そこで、兄貴分は長屋の月番に香典を、大家さんに酒と煮しめを、八百屋に死人を運ぶための樽を持ってこさせるように
屑屋に言いつける。
そして、断るようなら、らくだの死体を放り込んでかんかんのうを踊らせる、とすごむ。
そんな兄貴分と屑屋の関係が後半逆転するところがこの落語のドラマ。
大家さんが持ってきた酒を兄貴分に勧められ、屑屋が口にするところから始まるのだが。
談春はその逆転するところをたっぷりやる。
志ん生は時間をかけずに、酒を飲んだ屑屋の長セリフで一気にやる。
もちろんどちらが正解というのではないが、志ん生は一気なだけに鮮やかだ。
談春はこの逆転をリアルにするために、兄貴分は実は酒が弱いという事情を入れてきた。
そうしないと、立ち場は逆転しないと考えたのかもしれない。
今まで散々すごんで来た兄貴分が、屑屋が酒を飲み、気持ちが大きくなっただけで、弱気になんかなりっこない。
本当ならそうかもしれない。
でも、落語は、「さも聞いてきたような話である」
本当のことである必要はない。
ホラ話でいいのである。
面白ければいいのである。

落語会に行く少し前に談春修行時代を書いたエッセー「赤めだか」を借りた。
直前に5ページほどだけ読んだ。
落語の枕を聞くにあたり、役に立った。
高座の前に浜名湖競艇に行って来たそうである。
「赤めだか」の冒頭に書かれていた。
競艇場の近くに住んでいて、子供にくれる菓子をめあてに父親に連れていってもらうようにせがんだこと。
そして、ある競艇選手が好きになり、競艇選手になることが夢だったこと。
高校の時、身長制限の170センチを越え、競艇選手になるこを泣く泣くあきらめ、落語家になることに夢が変わったこと。
高校時代、談志の「芝浜」を聞き、ショックを受け、自宅に押し掛け、高校を辞め、弟子になる。
そして、今に至る。

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