浜北文化センター小ホールで「はままつ演劇オムニバス」を観た

カテゴリー │演劇

11月26日(日)14時~。

はままつ演劇オムニバスは
はままつ演劇フェスティバル2017の一環で、
複数の劇団やユニットの公演が一日で観ることができる企画。

今年は4本。

Kinomi Produce 「霧に動く影」・・・正岡子規、夏目漱石 生誕150年に寄せて

子規、漱石の作品の朗読の他、
自作の子規の人生を詠んだ詩を朗読。

この詩が子規の人生の応援歌となっていた。
去り際の幕や照明や音楽を駆使しての演出が詩を際立たせた。
それは同時に子規の仕事を際立たせる。

途中読み手の息子さんが登場しアクセントを加える。
度胸の良さに驚いた。
セリフを発する佇まいがいい。
あえてセリフとして言おうとしていないのだ。

読み手が去った後も
読み手をそっちのけで
勝手に観客に向かいあいさつをするという
オチの役割で登場し、
終いまで共演者としての存在を発揮する。


座☆がくらく 「アパート」

「アパート」というタイトルから予想した内容とは違った。
今考えても思いつかない。
「キャンパス」ならわかるが。

学生たちで脚本を書いたのだろうか。
但し、普段このような会話はしていないと思う。
演劇をやろうとしすぎたのではないだろうか。
むしろリアリティから離れていく感じがした。

今までは演出の存在と重要性を感じた作品となっていたが、
今回は残念ながら演出の存在を感じることが出来なかった。
今までは自主公演、今回はオムニバス公演、
この違いが原因ではないとは思う。

夏に行われた柴幸男さん作の「あゆみ」は上演の狙いがわかる気がした。
今回はあえて学生たちに任せたのであろうか。

高校演劇を観ても、
指導者の存在は非常に大きい。
自分たちでやる時は自ら指導者の存在を探さなければならない。
それは、他の演劇作品であったり、他ジャンルの作品であったり、
世間のあらゆるものだったりする。

終了後ロビーに出るとOBたちの姿が見えた。
アドバイスし合えるとしたらそれはひとつの歴史の証であろう。

今回10人の出演だが、25人劇団員がいると紹介された気がする。
当然ながらもっともっと可能性はある。


Sfidante 「Revolver」

Sifidanteとはイタリア語で挑戦者という意味だそう。
今後も常に注釈を入れないといけないなと、余計な心配をした。
好きな世界観があるのだろう。
登場人物の名前にも表れていた。

作者は出演者にも名を連ねているのでオリジナル作品であろう。
劇中歌の「約束」という曲に作者名があるので、
オリジナル曲かもしれない。

役者は言う理由があってセリフを言っている。
決して、台本に書いてあるから言っているのではない。
すべてのセリフに動機がある。
動機がないときは本来はセリフを言う必要はない。

高校の同級生の劇団らしい。
それ以上は触れられていない。
演劇部が作られるといいなと思う。
もちろん部外者であるが。


劇団Tips 「水平線の歩き方」

演劇集団キャラメルボックスの成井豊さんの作品で、
全国でたくさんの劇団や演劇部が上演していることだろう。
成井豊さんの作品が上演する側にとって特に人気がある秘密が
今回わかったような気がした。
人間はどこか「感情」の生き物であるのだろう。
喜怒哀楽のバランスが巧妙に仕込まれている気がした。
これは人それぞれ好みがある。

ハッピーが好きな人もいる。
バイオレンスが好きな人もいる。
ウエットが好きな人もいる。
笑いが好きな人もいる。

知る限りの日本の音楽にはラブソングが多いと思う。
普段言えないことをカラオケで歌えば、
言いぱなっしだ。
「大好き」「誰よりも愛してる」「君が好き」「あんたが好き」「死ぬまで一緒」「アイ ラブ ユー」。

そのあたりを成井豊さんの作品はうまく救い上げていると思う。
喜怒哀楽の中では哀の分量を多めに配合。
つまり涙。

その上、印象付けるたとえ話がうまい。
水平線とラグビーの話を結びつけるのが
ラグビーのゴールポストの「H」と
HORIZON、つまり水平線の頭文字「H」。
何ておしゃれ。

劇団Tipsは数多い上演の中でも
そのような良さを最大限に生かしていたように思われた。
いろんな意味で。

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