無防備を観た

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30日20時25分からシネマイ~ラで市井昌秀監督「無防備」を観た。
タイトルである"無防備"ということを考えてみた。
"防がない""備えない"
そんな風には生きられない。
防ぎ、備える。
そんな時は、固い、肩肘張ってる、無理してる、ぎごちない、自然じゃない、自分じゃない・・・。
田んぼが広がる中ぽつんと建っている町工場で検査の仕事をしている産めなかった女と産む女。
2人の女の周辺で男たちはただうろうろしている。
わかったこと。
無防備でいられるのはトイレと出産のとき。
どちらも出す時だ。
そんな時、防ぎ、備えていたら、出るものも出ない。
そして、そういう時は、人間は強い。
迷わない。
悩まない。
考えない。
道端で産気付いた産む女を産めなかった女が全力疾走し泥だらけになりながら乗れなかった車を運転し産む女を病院にかつぎこむ。
そんな美しい場面ののち、出産。
その時強いのは産む女だけではない。
立ち会った産めなかった女だけでなくうろうろしていた男たちもなんとなく愛おしくなってくる。
そのころはもう歌唱曲とともにエンディングテロップが流れているのであるが。
監督はお笑い芸人を目指し、その後、劇団東京乾電池の研究生となり、その後、シナリオを学ぶためエンブゼミナールに入り、この作品でぴあフィルムフェスティバルでグランプリを獲得した。

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この記事へのコメント
何か凄まじい、そして真実味のある映画ですね。伊藤比呂美(詩人)の世界を思わせるような。出産は男の憧れなのでしょうか。(男に出来ないことだから)だから男は出産をテーマに撮りたがるのかな。?!どう?・・・
Posted by ヒメぱせりヒメぱせり at 2010年01月01日 01:15
憧れ・・・。
どうかなあ。
ちなみに映画で出産する人は監督の奥さんです。
Posted by テトラテトラ at 2010年01月01日 18:42
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    コメント(2)