静岡市民文化会館大ホールで劇団四季「オペラ座の怪人」を観た

カテゴリー │演劇

8月25日(土)13時~

「オペラ座の怪人」も「キャッツ」も「ライオンキング」も「コーラスライン」も
日本で日本のカンパニーによる公演を観ようとすれば
劇団四季により上演される。

ロンドンやブロードウェーなら様々なカンパニーによる違う演出家により上演される作品が
日本版ではひとつの劇団の同じ演出家により上演されるというのは
普通に考えると、相当不思議なことだ。

2015年まで在籍され、ほとんどの作品を演出されていた浅利慶太さんが
先月7月13日にお亡くなりになられたが、
読売新聞に書かれた石原慎太郎さんの追悼文で
日本で本格的なミュージカルをやろうと意気投合し
2人でブロードウェーに行ったりしたこともあったそうだが、
浅利さんが事業家になり(これは劇団四季が商売として成功を収めたことを指すと思われる)
石原さんが政治家(国会議員や都知事)になり、だんだん疎遠になった、
と記されている。

劇団四季は日本の劇作家、音楽家による日本発のオリジナルミュージカルも上演しているが、
やはり目立つのは、海外発のミュージカルである。
その理由の最大は、集客が見込める、ということだろう。
劇団活動を事業として成り立たせ、
劇団員を食べさせ、もちろん家族も守る。
そのためには公演数を増やすことが必須である。

日本の演劇界の苦手なところをあえて行う。
趣味で終わらせず、産業として成り立たせることを
かなり意識的にやったのだろう。
観客となるべき日本人の特性や志向も計算している。
それは、言い方はどうかと思うが、
芸術性という言葉とどこか切り離したのかもしれない。
エンターテイメントに徹するというか。
もちろん、いいエンターテイメントは
芸術性も伴っている。
相反するものではない。

静岡での「オペラ座の怪人」は2か月弱の期間に54公演ある。
静岡市民文化会館大ホールのキャパシティが1,968席である。
すべて満席だと、総入場者数10万6,272人。

会場は、女性の数が多いが、
さまざまな年齢の人々でにぎわっていた。
家族連れ、友達同士、
カップルなど。
ひとりで来ている人は他の演劇公演と比べると
少なめかもしれない。
子供さんも少なめかも。

比較的年齢が高めの親子なんて組み合わせも興味深かった。
30歳代40歳代の娘が、親を連れてやってくる。
洋画も見慣れている世代なので、
テレビCMで
「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい」と
やられると、
娘は、親孝行にでも誘ってみようと思い、
親も「あら、面白そうね。たまには行ってみようかしら」
となるのだろう。

そして、行ったとなれば、
もちろん期待を裏切らない趣向が凝らされている。

静岡市民文化会館大ホールで劇団四季「オペラ座の怪人」を観た




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