2023年12月29日10:45
浜松市勤労会館Uホールで浪漫座「浪漫座版 源氏物語」を観た≫
カテゴリー │演劇
12月17日(日)14時~
シニア劇団と称するこの劇団の演劇を観ると、
いつも「なぜ演劇をやるのだろう」ということを考えさせられる。
また、これは「なぜ演劇を観るのだろう」というのも同じ問い。
55歳以上が入団条件というが、
55歳で入団すれば、まだ赤ちゃんというような年齢層のメンバーたち。
2010年の結成時からの劇団員も何人もいる。
会場である浜松市勤労会館Uホールの駐車場はほぼ満杯で、
誘導の方がわずかな空いたスペースに車を案内してくれる。
会場に入ると、多くの差し入れが置かれ、自由席の客席の多くは埋まり、
開演を待ち、ざわついている。
席を探していると、「いわた表現の会からころ」の仲間がいて、
隣りの席を勧められ、そこに座る。
どこかでチラシを見て、訪れたそうだ。
彼は前日、東京へ舞踏カンパニー「大駱駝艦」の公演へ行ったそうで、
僕は愛知の刈谷に演劇(ねじまき鳥クロニクル)を観に行った話をした。
どちらもこの日観る演劇とはまた、毛色が違う。
終演後、彼は「あれみたい。アイドルの‥‥‥」と言い、
僕は即座に思い当たり、「AKB」と答える。
まさにその通りで、
幕が開くと、登場人物があらわれしゃべるたびに、歓声や拍手があがる。
76歳というアラナミテレサさんが、源氏物語の作者紫式部として、語り部役。
アドリブも交えながら、とても味わい深い語り。
登場人物は元々は大長編作品なので、相当簡略化しているだろうが、
それぞれの関係性はよくわかり、俳優の特徴をうまく活かしていたと思う。
ラストシーン、舞台上は、衣装をまとった俳優たちが立ち並ぶ。
女性たちが見つめる中心には光源氏役の松島喜美子さん。
ラストシーンで流れるのは「ぼくにはあなたしかいない」と、
ひたすらの愛をうたう沢田研二の「ダーリング」。
その前には光GENJIの「ガラスの十代」も流れる。
光源氏だから、光GENJIを使って何が悪い?とベタで昭和な選曲が、
懐古としての「昭和」や年代問わずの「押し活」という現代的事象とも呼応し、
あ、今の話なんだと気付く。
AKBの他、宝塚や旧ジャニーズ(今の問題とは関係ない)も思い起こすが、
これはショーやエンターテインメントとしての舞台を目指すモデルにしているからだと思う。
それはある意味潔く正直な態度で、
出演する人たちの欲求と、そういうタイプの舞台を求める観客とマッチさせ、
結果、幸せな空間を作り出している。
ダンスや雅楽にての出演と言うゲストによる全体を彩るお楽しみもあり、
変わらずの衣装の充実、
これらは毎回のやり方であり、特徴であるが、
回を重ねるごとに凄みを増している。
あたりまえのことだが、
成長とは若者に限ってのことではない。
いくつになっても成長するのだ。
そんなことを実感させてくれる。
シニア劇団と称するこの劇団の演劇を観ると、
いつも「なぜ演劇をやるのだろう」ということを考えさせられる。
また、これは「なぜ演劇を観るのだろう」というのも同じ問い。
55歳以上が入団条件というが、
55歳で入団すれば、まだ赤ちゃんというような年齢層のメンバーたち。
2010年の結成時からの劇団員も何人もいる。
会場である浜松市勤労会館Uホールの駐車場はほぼ満杯で、
誘導の方がわずかな空いたスペースに車を案内してくれる。
会場に入ると、多くの差し入れが置かれ、自由席の客席の多くは埋まり、
開演を待ち、ざわついている。
席を探していると、「いわた表現の会からころ」の仲間がいて、
隣りの席を勧められ、そこに座る。
どこかでチラシを見て、訪れたそうだ。
彼は前日、東京へ舞踏カンパニー「大駱駝艦」の公演へ行ったそうで、
僕は愛知の刈谷に演劇(ねじまき鳥クロニクル)を観に行った話をした。
どちらもこの日観る演劇とはまた、毛色が違う。
終演後、彼は「あれみたい。アイドルの‥‥‥」と言い、
僕は即座に思い当たり、「AKB」と答える。
まさにその通りで、
幕が開くと、登場人物があらわれしゃべるたびに、歓声や拍手があがる。
76歳というアラナミテレサさんが、源氏物語の作者紫式部として、語り部役。
アドリブも交えながら、とても味わい深い語り。
登場人物は元々は大長編作品なので、相当簡略化しているだろうが、
それぞれの関係性はよくわかり、俳優の特徴をうまく活かしていたと思う。
ラストシーン、舞台上は、衣装をまとった俳優たちが立ち並ぶ。
女性たちが見つめる中心には光源氏役の松島喜美子さん。
ラストシーンで流れるのは「ぼくにはあなたしかいない」と、
ひたすらの愛をうたう沢田研二の「ダーリング」。
その前には光GENJIの「ガラスの十代」も流れる。
光源氏だから、光GENJIを使って何が悪い?とベタで昭和な選曲が、
懐古としての「昭和」や年代問わずの「押し活」という現代的事象とも呼応し、
あ、今の話なんだと気付く。
AKBの他、宝塚や旧ジャニーズ(今の問題とは関係ない)も思い起こすが、
これはショーやエンターテインメントとしての舞台を目指すモデルにしているからだと思う。
それはある意味潔く正直な態度で、
出演する人たちの欲求と、そういうタイプの舞台を求める観客とマッチさせ、
結果、幸せな空間を作り出している。
ダンスや雅楽にての出演と言うゲストによる全体を彩るお楽しみもあり、
変わらずの衣装の充実、
これらは毎回のやり方であり、特徴であるが、
回を重ねるごとに凄みを増している。
あたりまえのことだが、
成長とは若者に限ってのことではない。
いくつになっても成長するのだ。
そんなことを実感させてくれる。