穂の国とよはし芸術劇場PLATでさいたまゴールド・シアター「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」を観た

カテゴリー │演劇

21日(日)14時~
穂の国とよはし芸術劇場PLATはJR豊橋駅を降りて、通路を経て、直結した場所にある。
浜松から車で行くと、駐車料金がかかるので、浜松駅から東海道本線で行った。

浜松駅から電車に乗る前に、街中をしばし自転車で回った。
路上演劇祭の場所を探るためだ。
クリスマス前で、外国人たちが
たぶん、教会関係の案内であろう。
チラシを配っていた。
子どもも配っていて、
「お願いします」と差し出すも、
多くの人は受け取らない。
そのたびに残念そうな顔をしていたのに気を止めながら、
自分もできれば受け取りたくないなと、
避け気味に通りすぎた。

埼玉ゴールド・シアターは55歳以上であるということが条件の劇団。
蜷川幸雄さんのアイディアで創設されたのは知られている。
2006年2月に団員募集。1266名が応募。
3月にオーディション。受験者数1011名。
そして第2回中間発表公演として、
今回上演した清水邦夫作「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」をやっている。
(第1回中間発表公演は「Pro-cess~途上~」)

この作品は元々は
1971年10月、現代人劇場が、新宿文化と言う劇場で上演している。
演出はもちろん蜷川幸雄。
出演者には蟹江敬三、緑魔子等。
石橋蓮司らも名を連ねている。

チャリティーショーに爆弾を投げ込んだことで裁判にかけられている孫を救いに
婆さんの一団がなだれ込む。
このなだれ込む様子が圧巻で、
演出は先ずはそこに、エネルギーを込めたと思う。
現代人劇場やゴールドシアターの過去の上演では
老婆を男性もやっていて、最後、若者になり変わる様を
同じ俳優がやっていたのを
今回は婆さん役は婆さんがやる、という方式をとっている。
そこには、確かなリアリティもあり、
役者も、「ひとつの役」に集中するんだという、
ある意味やりやすさもあったと思う。

飯をつくる人は飯を作る。
洗濯物を干す人は洗濯物を干す。
裁判官や検事や弁護士や被告人がいる法廷は
婆さんたちの生活に占拠される。

作品の時代背景には安保闘争があるだろう。
若者は闘いたい時代だったのだ。
この作品はそれを老婆に置き換えている。
当時、若かった者たちが老婆役を演じる。
しかし、それはラストに若者に変身することで、
表現する自分たちに引き戻している。

しかしながら、さいたまゴールド・シアターは
実年齢老婆が老婆役を演じる。
闘うのは正真正銘の老婆たちである。
さいたまゴールド・シアターは55歳以上の劇団であった筈だ。
ところが、現在、平均年齢は75.8歳だそうだ。
(団員数は男性14名、女性25名の計39名/2014年11月)

これは一体どういうことなのだろうか。
今や、65歳~70歳まで働く時代だ。
そうすると稽古にはなかなか通えないかもしれない。
ちょうど親の介護をしなければならないかもしれない。

そう考えるとそれらも卒業した年齢が
活動年齢なのかもしれない。
それで、3カ国(香港、東京、パリ、豊橋、川越の5都市)計16公演というのもすごいな。

穂の国とよはし芸術劇場PLATでさいたまゴールド・シアター「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」を観た

以下の新聞記事は2006年2月1日から劇団員を募集するという新聞記事の切り抜きです。

穂の国とよはし芸術劇場PLATでさいたまゴールド・シアター「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」を観た


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この記事へのコメント
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Posted by 猪ボヘミアン猪ボヘミアン at 2014年12月28日 09:09
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