絡繰機械’Sの「DUAL+」(デュアルプラス)を観た

カテゴリー │演劇

15日(日)19時~
万年橋パークビル7F

3本の短編を組み合わせを変え、2本ずつ上演するシリーズ。
5月24日から続く6公演の内の最終公演に行った。

演目は
「通行のルール」と「迷宮の夢」
開演前、
本来の順番からの変更が告げられる。
当初は
「迷宮の夢」→「通行のルール」だった。
「通行のルール」→「迷宮の夢」になった。

今回の「DUAL+」の以前、
「DUAL」という公演があり、観に行った。
その際は「ナイフ投げ師の犯罪」と「通行のルール」をやった。
この2本に1本新作を加えて、「DUAL+」である。

3本とも、それぞれ、2本ずつ原案が存在することを明かしている。(チラシに明記)

完全オリジナルの場合も
何かしら、ネタの元はあるはずで、
話のセオリーであったり、
会話の記憶であったり、
誰かの話した言葉で会ったり、
何かの本で読んだことであったり、
何かの映像で観たことであったり、
そういう過去の産物が生み出したものであることは確か。

ゼロから生んだというのはたぶん思いあがりで、
いっそのこと、ネタ元はこれですと、明らかにして取り組んだ方が、
輪郭のはっきりした骨太の作品ができるのかもしれない。

シェイクスピアも過去の流行り話をネタにして自らの名で作品を発表していったという。
文章自体が、単語の組み合わせにより化学反応を起こすように
2つの作品が原案だとしたら、それらの融合が起こす化学反応は新たに生まれた作品に大きく影響する。
異質の作品が組み合わさった時と同質の時とは違うだろう。
日本と海外でも違うだろう。
出版物と非出版物でも違うだろう。

今回の上演作品でも
「通行のルール」は3年後に世界が終わるという設定の中、
工事が行われていない場所をガードマンの仕事にいそしむが、
語られる話はきわめて現実に根ざしている。

片や「迷宮の夢」は
設定も話の進み方も、非現実的である。
非現実的な架空の都市はカラクリの芝居ではよく出てくる。
それは抽象の効果を生み、横たわった構造が立ちあがってくると
物語が大きく動き出す。

ひとつ思ったこと。
「通行のルール」の通りがかる人、中西さんは、コートジボアールのドログバのようだった。
前回の上演時も同じ役をやったこともあるかもしれない。
登場したら、途端に場(ピッチ)が動き出した。
左サイドを切り崩し、連携を生み、得点をあげるのに貢献した。
(カラクリのみなさんがまず生で観ることができなかったであろうW杯と感想の化学反応を試みた)

絡繰機械’Sの「DUAL+」(デュアルプラス)を観た


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この記事へのコメント
中西さんを、コートジボワールのドログバに例えたのは面白いですね。
彼がピッチに立ってから、試合のムードがガラリと変わってしまいましたよね。
中西さんの登場で、『通行のルール』も雰囲気が変わったのだろうと思います。大したものですね。
Posted by 猪ボヘミアン at 2014年06月17日 19:09
芝居もある意味チームスポーツだと思います。
Posted by テトラテトラ at 2014年06月27日 08:11
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