磐田市民文化会館で富良野GROUP2015冬「ノクターン☆夜想曲」を観た

カテゴリー │演劇

25日(火)19時~
いわた表現の会からころの仲間に、磐田公演の実行委員会のメンバーがいて、
2010年の「谷は眠っていた」、2013年の「明日、悲別で」に続き、
富良野GROUPの観劇は3度目である。
富良野GROUPは有名脚本家倉本聰さんが起こした富良野塾の塾生たちが
2010年の閉塾後も創作活動を続ける集団。

2011年3月11日の東北大震災からおよそ4年。
つまり今。
公演当日が2月25日だから、もう2週間もすると丸4年である。
そんな今がこの作品の時間である。
場所は福島原発の避難区域。
震災により行方不明の娘をさがすため、
浜を掘り続ける男がいる。
新聞記者がやってくる。
取材する側であったが、彼も同僚を震災で亡くし
自身も津波を目の当たりにした。

彼らはその影響を4年の月日が経とうとする今も受けている。
それは、2人の前に現れる彫刻家の女性の登場により
明らかになる。
その場所は彫刻家の仕事場である。
彼女が制作したピエロの彫刻が置かれている。
部分的に壊れた彫刻のかけらが転がっている。

埃が積もったピアノが置かれている。
洋行帰りのような華やか装いの女がやってくる。
彫刻家の妹である。
フレデリック・ショパンを恋人と思いこんでいる。
フレデリック・ショパンとは19世紀はじめに生きた
ポーランド・ワルシャワで生まれた作曲でありピアニストのことだ。
これから、ワルシャワにフレデリックに会いに行くという。
でも実はフレデリックとは飼い犬の名前である。

妹はピアノを弾きはじめる。
ショパンの「ノクターン」。
彼女が引き続けるピアノの音がバックで流れる中、
会話が続けられる。

娘を亡くした男も同僚を亡くした男も
4年前を語りだす。
語りだすのは人間たちだけではない。
ピエロの姿をした彫刻たちも語りだす。

倉本さんは福島県南相馬氏在住の詩人・若松丈太郎さんの詩
「神隠しされた街」に出会ったことから、今回の作品を書くきっかけに
なったそうである。
1986年にチェルノブイリに行った時書かれた詩である。
作品の中でもその詩が語られる。

登場人物たちは4年前も今もあまり変わっていない。
記憶や体験は今も行き続ける。
変わっているのは観ている僕たちかもしれない。

磐田市民文化会館で富良野GROUP2015冬「ノクターン☆夜想曲」を観た




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