8日(日)舞台芸術公園「BOXシアター」で劇団MUSES「Right Eye」を観た

カテゴリー │演劇

3月8日(日)17時~
舞台芸術公園は静岡市の有度山の中腹、日本平動物園を少し先に行ったところにある。
静岡県西部演劇連絡会の代表でもある近江木の実さんが、演出の芝居、野田秀樹作の「Right Eye」の上演が
舞台芸術公園 稽古場棟 「BOXシアター」と妙に説明が多い会場名の場所で行われた。
7日(土)13時30分開演、19時開演
8日(日)13時30分開演、17時開演
の4回公演である。
演出家当人より、「昼間の回を中心に売れているので、お勧めは夜の回」
と伝えられれば、
夜の回に行くことになる。
浜松市から静岡市まで出向くので、
声がかからねば、文句なく、13時30分開演を選ぶ。
特に日曜となれば尚更だ。
1日2回公演の場合、とりわけ自由席の際、チケット販売は
ある種調整が必要になる。
お客さんの自由意思にまかせると、
特に日曜の場合、夜より昼が早く埋まる。
日曜夜は帰宅意識が高まる。
週末に比較しての日曜の夜の盛り場しかり。
日曜の夜は閑散としている。

自分たちは夜公演に行くことにそうデメリットもなかったので、
8日(日)17時~の公演チケットを購入した。
4名で誘い合い、自動車で、有度山の中腹、日本平動物園の少し先の公演場所へ向かった。

日本平のドライブ帰りか、動物園帰りか、山を降りてくる反対車線は
ずいぶんと混んでいた。
演劇の見物に向かう山を登る車は自分たちの乗る車以外はない。
開場時間より前と言うこともあるだろう。
閉園間際まで遊んだ動物園帰りの車の数と比較しても仕方がない。
自分たちのことを風変りでもの好きな人たちとも思わず、
時間と共に暗さを帯びてくるであろう山の中腹の劇場に車を走らせる。

劇団MUSESの観劇は昨年の「赤鬼」に続く。
共に野田秀樹さんの戯曲を近江木の実さんが演出している。
「Right Eye」は「右目」と「正しい目」の2つの意味を持つ。
野田さんは、自身の失明の体験を元に戯曲を書いた。
作家は作りごとを書く。
しかしどんな夢物語で、空想的でも
実際のことと、どこかで重なりあうことを願う。
だから、リアリティがあるのだ。
本当のことであるかのように思う。

野田さんにとって先ずは自らの右目が失明したことが
何より本当のことであった。
それを避けて通ることは出来なかった。
そして、すぐさま演劇作品の題材にした。
「Right Eye」執筆を劇中劇のように扱い、
右目を失う、つまり片目の状態を一眼であるカメラのレンズとダブらせる。

カンボジアの戦場で兵士が向ける銃口の先の少年の姿を撮るために
少年の命よりカメラマンとしての成果を得ることを選ぶ戦場カメラマン。
真実を追求する意義だけでなく、金と栄光への欲もちらついている。

そして、入院する野田を狙ってというより、同じ病院にいる有名女優の姿を追う
芸能カメラマン。
パパラッチと揶揄されるが、本人たちは仕事に対し命がけである。

それらを野田さんは劇作家としての自分をダブらせる。
あたかも決意表明のように。
これからも作り話を書き続けていこうという。
それが「正しい目」であるかどうかは・・・なのだ。

帰りは、すっかり暗くなった有度山の中腹から降り、
近くのカレー屋でカレーを食べて、浜松へ向かった。

8日(日)舞台芸術公園「BOXシアター」で劇団MUSES「Right Eye」を観た


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