浜松市地域情報センターで劇団MUSES「MUSES版 十二夜~お好きにどうぞ~」を観た

カテゴリー │演劇

23日(祝)15時~

劇団MUSESは、SPAC(静岡県舞台芸術センター)県民劇団としてスタートした。
野田秀樹作「赤鬼」と「Right Eye」の2作を上演後、2015年に独立し、
オリジナル作の短編3本立て「奇想天外」を今年4月に上演し、
第4回公演が今回の「MUSES版 十二夜~お好きにどうぞ~」となる。
10月に静岡市で2公演、12月の今回、浜松で1公演が上演された。

「影源氏」が上演されている静岡文化芸術大学を後にし、
会場である浜松市地域情報センターまで歩いて向かう。

観終わって、考えた。
シェイクスピア原作による「十二夜」とはいったいどんな作品なんだろう。
一言でいうなら、ラブコメだ。
「源氏物語」が恋愛小説で、「十二夜」がラブコメ。
ここを外さないことがとても重要な気がした。

船が難破し、双子の兄妹がそれぞれ打ち上げられる。
互いの生死は知らない。
そして互いにさまざまな人と出会い、出来事に巻き込まれていく。
そして、そのきっかけはすべて、誰かが誰かを好きになる、である。
相思相愛になれば、すぐ話は終わるが、そうはならず、複雑に絡み合うから話は発展する。
数々のボタンの掛け違い、人間模様が喜劇の様相を帯びていく。
終盤近く、離れ離れになっていた双子の兄妹が再び出会うことから、広がった物語は一挙に収束する。

今回、双子の兄妹の役を一人二役で演じていた。
ここを明確に演じ分けないと、話はまったくわからなくなる。
この舞台の上に立っているのは誰なのか。
そして、誰が誰を好きなのか、
誰が誰に好かれているのか。
それを追うことが「十二夜」を観るということだ。
喜劇の様相は、あくまでも結果であって、
初めから求めるものではないと思う。

「MUSES版 十二夜~」はひとつの特徴がある。
年齢層が幅広いということだ。
年配の方(女性)と子供さん(男性)も登場する。
そのためにあてがきと思われる原作にはない役が与えられている。
これらによる脚色の変化は、MUSES版ならではだろう。

原作に出てくる歌や楽器の演奏が得意な道化役は、
アルルの女、という名のカラオケが得意な女として、
諏訪湖みどりさんが演じ、時には歌っていた。
サンというもののけ姫と同じ名の役を演じた小林辰哉さんも
滑舌も度胸もよく、自然体で舞台の上に立っていた。

浜松市地域情報センターで劇団MUSES「MUSES版 十二夜~お好きにどうぞ~」を観た


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