松菱跡地の「オン・ライン・クロスロード2022」へ行った

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昨年に続いて行われる。
文化庁委託事業で「令和4年度障害者による芸術活動推進事業」。
主催は文化庁と認定NPO法人クリエイティブレッツ。

10月22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)の日程で、浜松市街中の松菱跡で行われる。
1937年に開店した浜松初の百貨店「松菱」は浜松空襲もくぐり抜けて、
1992年には新館まで出来、売り場面積25,271㎡の静岡県最大の百貨店となったが、
2001年経営破綻の為、閉店となる。
2015年に残されていた新館の解体工事が終了し、
以来、更地のまま時が経っている。

その状態は決して望まれているものではない。
例えば浜松市に今まで縁がなかった大学生が卒業までの4年間過ごすとする。
その4年間、街中にすっぽりと茫漠とした空き地がただ存在する。
この状態はいったいどんな意味を持つだろう。
いや、変わらぬ当たり前の風景として,
もはや目に入っていないのかもしれない。

ここでイベントをやることがそのままアイロニーとなる。
昨日まで柵で囲われていた空き地が突然柵が外される。
そのことがどんな意味を持つのか?
それを考えている間に、またイベントの期限が済み、
元の立ち入り禁止の空き地に戻る。

22日(土)は音楽ステージ「風と砂利と音」が、
23日(日)は演劇ステージ「風と砂利とこと」とSPAC「松菱跡のさかさま姫」が行われることを知り、訪れる。
気候も良くなってきたので、両日とも自転車で行く。

22日は午後、長嶋水徳‐serval DOG-、Inariを聴く。
長嶋水徳‐serval DOGはご自身で作詞・作曲・編曲・レコーディング・ミックスを自宅スタジオで行っている。
そして、その音源を元にひとりで歌う。叫ぶ? 吠える? どれも当てはまる。
Inariは富士宮市で幼馴染4人で結成。
「時は幕末~」と始まる楽曲など和テイストの魅力もあるオルタナティブロックバンド。

23日は
13時~ 遠藤綾野×杉浦貴幸×羊のクロニクルズ
コンテンポラリーダンスとギターと詩の朗読のコラボ。
作品タイトルはあったのだろうか?
ギターとロックと平和の比較を叫んでいたように思う。

14時~ SPAC「松菱跡のさかさま姫」
言葉を何でもさかさまに読んでしまうお姫様の話。
松菱跡の話かと予測していたがそれは違った。
さかさまに読まれると聞いている人は意味がわからない。
つまりディスコミニュケーションの状態。
伝えたいけど伝わらない。
さかさまに読んだ言葉をさかさまに翻訳してくれると伝わる。
また、回文だったらさかさまでも伝わる。
「たけやぶやけた」なんて日常で言うことはないが、
竹藪が焼けたんだなあ、とわかる。
そんなコミュニケーションの話。
この日は航空自衛隊浜松基地ではエアフェスタ2022が行われ、
上空はブルーインパルスが時折飛んで、セリフをたまにかき消していた。


15時~ 木村劇団
それぞれの演目が長くても30分なので、インターバルの時間が空く。
その度に会場外に出て、ストリート・ジャズ・フェスティバルを聴いたりしながら
開始時間に合わせて戻って来ていたのだが、
新川モールで行われていた野外格闘技イベントを見ていたら、
ほんの少し遅れてしまった(2分ほどだが)。
すでに始まっていて、
アバンギャルドながらほぼシンデレラの筋立て通り進むこの作品の上演意図が不明のまま終了してしまった。
木村劇団とは何なのか?
木村さんとは主演しシンデレラの役を楽しそうに演じていた女性の苗字なのだろうか?
謎だ。

15時40分~ 対話空間創造舎+静岡文化芸術大学有志+ムラキング(協力:社会実験室 踊り場)
若い女性の日記のモノローグ×上半身裸の男性の叫び×ムラキングのうめき×通り過ぎる若い女性
これは練習は行われたのだろうか?
即興なのだろうか?
各自はかたくなに自分の持ち場を堅持していた。
物理的な距離は決して変わらない。
ソーシャルディスタンスを実践しているかのように。
ただし、互いに交信しているのだろう。
各自がそれを感じていたとしたらきっとそれがすべてだ。

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