鴨江アートセンターで「それ、抜きますか?」を観た その1

カテゴリー │演劇

2月6日(日)15時30分~

シネマe~raで映画を観た後、演劇を観るために鴨江アートセンターへ行くにはしばらく時間があった。
この日は街をぶらつくには寒く思えた。
寒さのせいなのかコロナのせいなのか、
街中のせいにはしたくないけど、
きっとショッピングモールは体感温度は暖かいだろう。
家だと電気代もかかるし、ぬくみに行く人がいたとしても不思議ではない。

こういう時は有楽街のドトールコーヒーがぴったりだったが、
ずいぶん前になくなった。
ザザのモスバーガーでホットコーヒーを注文し、
時間まで過ごすことにした。
ああ、シネマイーラでもセブンで買ったペットボトルのホットコーヒーを飲んだんだったな。
まあ、いいや。
それにしてもいつからだろう。
こういう時、ホットコーヒーのブラック1択になったのは。
(気が向けば例えばホットチョコを頼むのを見かけたとしても許してほしい。)

この後に観る演劇は本来、前日土曜日に愛知県長久手市で上演されるはずだった。
うまくいけば、この日にも再度上演されるはずだった。
ところが、この日、浜松で上演されることになった。
急転直下。

出演するはずだった短編演劇のコンペティション「劇王2022」が新型コロナウイルスを理由として、
上演直前に中止が決まった。
もちろんこの決断に誰の責任もない。
最も断腸の思いで決断をしたのは主催者であり、
世の無常をあらためて知るのみだ。

劇王に僕が初めて観に行ったのは、2008年の「劇王Ⅴ」である。
劇作家協会東海支部の企画で2003年、長久手文化の家を会場に「劇王」は始まる。

劇作家協会の企画らしく、劇作家が戯曲を書くことから始まる。
「上演時間20分以内」「役者3名以内」「数分間で転換可能な舞台」を条件に
審査員票と観客票により、勝敗が決まり、勝ち上がった劇作家が劇王となる。

勝った者が得るものは、開始当時、支部長だった佃典彦氏お手製のチャンピオンベルトのみ。
喜びだとか、誇りだとか、得るものはあるだろうが、それは勝った当該者が知るのみ。

あくまでも書いた戯曲を対象としたコンペであるが、
実際に評価の基準となるのは、出来上がった作品自体。
俳優の演技にやられたなあ、演出にやられたなあ、という時もあるが、
それは企画者側も織り込み済みで、
あくまでも演劇を材料にした遊びであると認めている。
たかが遊び、されど遊び、なのである。

僕は5回目の劇王から、行けるときは長久手文化の家まで観に行った。

主催である長久手文化の家と10年間やろうということから始まったということで、
一度は幕を閉じたり、また再開したり、紆余曲折はあったかもしれない。
パンフレットに記載された支部長の言葉に、15年も続いているイベント、とある。

僕が観に行く理由に、審査員の講評を聞く、というのがある。
初めて行った「劇王Ⅴ」では審査員の4名が
鐘下辰男氏、鴻上尚史氏、深津篤史氏(以上劇作家)、安住恭子氏(演劇評論家)。
決勝巴戦に残った3名が
前年劇王の柴幸男氏、予選を勝ち上がった鹿目由紀氏、平塚直隆氏。
作品も講評も、この時の体験が翌年以降も出向かせたのだと思う。

ただし、浜松から行くこともあり、各ブロック予選、決勝巴戦と2日間の観劇とはいかない。
勝ち残ったのが観れておいしいと思い、決勝を観に行ったが、
前日の予選で俳優の柄本明氏から衝撃講評があったことを聞き、悔やんだこともある。
戯曲賞の受賞者を参加者に招聘することもあったが、
だからと言ってこの人たちが予選を突破するわけではない。
予選を観ていないので作品はわからないが、
短編とはまた奥深いものであるのだなと思ったりもした。

劇王について書いていたら、ちょっと長くなったので、
次回に続く。


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