愛知県芸術劇場小ホールで劇団あおきりみかん「ワード・ロープ」を観た

カテゴリー │演劇

3月3日(日)13時~

開演が近いのを知らせるように
原田真二さんの「タイム・トラベル」という曲が流れだした。
原田さんは1977年に
「てぃーんず・ぶるーす」「キャンディ」「シャドー・ボクサー」で
3か月連続シングルリリースという方法でデビューした。

3曲同時にオリコンベスト20に入ったのは当時、史上初。
途端に人気者となり、テレビの歌番組にも頻繁に登場した。
「タイム・トラベル」は4曲目のシングルである。
そして、この曲でただ一度の紅白歌合戦に出場した。

街の外れの古い館が君の家~から始まり
クレオパトラだのハリウッドだの
住めなくなった地球から飛び出すだの
時間旅行の世界が広がっていく。
そんな歌詞。
作曲はご本人だが、作詞は松本隆さん。

原田さんは現在も音楽活動を続けているが、
デビューの頃の印象がいかにも強すぎる。
会場のどれだけの人がこの曲を知っていただろう。

舞台には袖幕がなく、左右には出演者であろう人たちが待機していた。
ストレッチしたり、邪魔にならないように発声したり、
本来なら舞台袖で静かに待っている様子を
席に着きだした観客たちにさらけ出す。

あ、書きながら思った。
さらされているのは観客たちかもしれない。
舞台に立つ人は本来
開演前の様子を直に見ることはできない。
楽屋モニターとかではあるかもしれないが、
目の当たりにすることはない。

自由席の為
観客たちはめいめい自分好みの席を確保する。
おしゃべりをする。
トイレに行く。
スマホをいじる。
じっとしている。
気に入らなかったのか席を変える。
そんな状態を舞台上の人たちに
さらされている。

そして、「タイム・トラベル」の後
たぶん芝居の内容とマッチする
僕の知らない何曲かが流れ、
最初の登場人物である俳優が演技エリアに進み、
幕が開く。

誰もが思い当たる学生時代の思い出から
時間旅行は過去に未来に跳躍する。
跳躍を象徴するキーワードは“ロープ”。
演劇とは“視覚化”であることを実感しながら
舞台は進む。

個人的には花村広大さんが歌う
BGMとしての谷村新司が
役者の演技を妨げるほど面白かった。
控えめだが、それが抑えきれず、
結果目立つ。

劇団あおきりみかんの20周年公演。
“其の四拾”とある。
単純に計算して、
1年に2本。
律義な劇団である。
雨の日も風の日も
長年の主軸が退団なんてこともあったかもしれない。
そんな中、1年に2本。

其の四拾壱として、8月に豊川市文化会館での公演
の予告がすでに公演リーフにある。
1年に2本を超えてきている。

愛知県芸術劇場小ホールで劇団あおきりみかん「ワード・ロープ」を観た




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