クリエート浜松ふれあい広場で「ちいさな賢治祭 in 浜松2019」を観た

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9月16日(祝)14時~

毎年この時期に行われている催し物であるが、
何年も前に最初に行ったのは
「人体交響劇」という言葉に引かれたからだ。

少し調べてみた。
1982年に詩人の谷川雁さんの呼びかけのもと、
「ものがたり文化の会」という団体が発足し、
谷川さんにより、衣装も照明も大道具も使わない
からだと声だけで、
表現する「人体交響劇」というパフォーマンスが考案された。

この手法がなかなか面白い。
グループを三分割する。
セリフを言う言語班、
身体を動かす視覚班、
この二つに分けることは
時として両立しない両者を
切り離すことで、表現をしやすくする役割を持つ。
役者というものは両者を同時に成立させなければいけないので、
苦労する。

ところがセリフを述べる班とパントマイムをする班の二つだけだと
猿回しと猿のような従属関係が出来てしまう。
そこで、物語から聞えてくる音を
観客の目に見えるように音で表現する
聴覚班というのを設けた。

これはいわば、
演劇の中で起こりがちな
例えば主役とわき役の存在など
権力構造から脱する目的も持つ。
つまり、物語もプロローグからエピローグまでに何か所か分割し、
言語、視覚、聴覚の役割も交代することで、
演者はすべての立場を経験することができる。

ただし、観客の満足より、
ここでは多く参加する子供たちを想定し、
子供たちにとって、いいことだということが優先される。
つまり教育の為という側面が強いのだろう。

主催の事務局として、浜松ものがたり文化の会、とある。
ものがたり文化の会と関連があるのだろう。

今回は「人体交響劇」の演目がなかった。
調べたある情報では261人の子供が参加したと書いてあった。
それらの人数が言語、視覚、聴覚に3分割され、
宮沢賢治の童話を演じる。
これは相当な迫力だろう。

ただし、それだけの人数を集めるのは難しい。
学校単位とか町単位での参加が必要だろう。

そこまで行かなくても人数が多い方が面白い。
今回のちいさな賢治祭では、
「人体交響劇」の演目はなかった。
参加する子供を確保するのが難しいのかもしれない。

その代わり、それぞれの分野の表現者たちが
宮沢賢治を題材に表現した。
紙芝居、朗読、歌と演奏、
そして、お話。

宮沢賢治の名を小惑星の名に命名した曰くを
話された米田康男さんは、
愛知県に住まわれていて、
中日新聞で「ちいさな賢治祭」の記事を読み、
観に来て、お手伝いを申し出たそうだ。

クリエート浜松ふれあい広場で「ちいさな賢治祭 in 浜松2019」を観た


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