鴨江アートセンターで「新年あけましてさんにんしばい」を観た その2

カテゴリー │演劇

2月に入って、
「新年あけまして~」の投稿をするのもどうだろう。

28日、29日と高校選抜公演に関わっていたこともあり
遅くなってしまった。

2本目は、三感詩音「豆大福の気持ち」。
1本目が住む場所の違う3人なら、
こちらは年代の違う3人。

いずれも経験者ではあるが、
それぞれが今まで別の形で演劇をやっていた。
つまり、初共演である。

集団が違えば、作り方も異なる。
演劇作りの工程は
そのすり合わせの作業とも言える。

三感詩音というユニット名は
3人のメンバーで考えたそうだ。
それもすり合わせのひとつである。

舞台となるのは、
夜の雑居ビルのエレベーター。
夜の時間帯は深い。

事情を抱えた3人が乗り込んでくる。
アクシデントが起きる。
そして、
それぞれの事情がすり合わされることでドラマが生まれる。

歌手の布施明さんは、
三谷幸喜さんの演劇や映画に出演しているが、
その際、三谷さんに、
役の人物の履歴書を書いてくれと要求するそうだ。

つまり、布施さんがAという役だとしたら、
Aがいつ、どこで、どんな親から、どんな環境で生まれ、
どんな幼少時代を過ごし、
学生時代は、
友人関係は、
どんなクラブ活動をやっていたか、
仕事は、
趣味は、
好きな食べ物、嫌いな食べ物は、
などなど。

どこまでの内容を書くのかはわからないが、
それがないと役作りができないということだ。
そのためには脚本にそれら人物像が描きこまれていなければならない。
この人物像の綿密な描き方が三谷さんの脚本の特徴だと思う。
「真田丸」などは、歴史上の人物という骨太さとも相まって、
その特徴が表れたのではないだろうか。

その人物像が魅力的かどうかが話の重要な点となる。
それら人物におのずから面白さが備わっていれば、
演技であえて面白く演じなくても
面白さは出てくる。

それぞれ魅力的な事情を抱えた3人は
エレベーターでのアクシデントに対応する。
互いのすり合わせの結果、
人生の中の束の間の出来事であるが、
その時間がそれぞれの履歴を観客に垣間見せる。
「豆大福の気持ち」というタイトルの意味も提示しながら。

鴨江アートセンターで「新年あけましてさんにんしばい」を観た その2


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