アクトシティ浜松中ホールでアクト・プレミアム・シリーズ2018~世界の名演奏家たち~ユリアンナ・アヴデーエワ」を聴いた

カテゴリー │音楽

2月21日(木)19時~

ユリアンナ・アヴデーエワさんはモスクワ生まれの
2010年のショパン国際ピアノコンクールで
45年ぶりの女性優勝者。

これはあくまでも文字としてあらわされる
肩書でしかないが、
不案内な分野だと特にそれに頼ることになる。

昨年開催された浜松国際ピアノコンクールを
聴きに行くことができなかったこともあり、
ピアノ、ピアノ・・・とネットでさがし、チケット購入。

NHKでピアノコンクールのドキュメントを観たことに
刺激されたかもしれない。

節操なく分野問わず出かけていく性分の為、
経済面の防御策として、
なるべく安い席をとることに決めている!
自慢することかっ!(注:突っ込み)

歌舞伎しかり、
ミュージカルしかり、
スポーツ観戦しかり。

はじめて歌舞伎座に行ったとき、
最も安い席を購入したのだが、
その時、感じたのは、
けっこうよく見えるじゃん!!

歌舞伎座は左右に広いので、
後ろの方の席でも、舞台までの距離をあまり感じない。
花道が見えにくいデメリットはあるが、
一等席との料金の差ほど
見え方に差はない。

これは観客に対しての優しさだと思った。
金の出せる者にはもちろんいい席を用意するが、
金のないものにも、がっかりさせないように
劇場をデザインしたのではないだろうか。

東京のとある劇場は
観客席から舞台を見ると
目の前にバーでさえぎられる。
前のめりになってバーにもたれると
さえぎられないが、
安全防止と後ろの観客のじゃまになるので
禁止されている。
すると、常にバー越しに舞台を観ることになる。
僕はがっかりしてしまい、その後観る気を失った。

今回僕が座ったB席は
ホールの正面ではなく、
2階席の左右の席。
僕は舞台に向かって右側の席。

演奏者が入場する。
ピアノの前に着席する。
あ、何も見えない。

目の前には落下防止の高い柵。
椅子の背もたれに背中をつけて座っていると
演奏者が全く見えない。
と言うか、舞台自体が見えない。

しばらくして気が付く。
柵にもたれかかれば、見えるかも。
でも演奏が始まっても
横の客たちは姿勢を正したまま
誰も前にもたれかからない。
たぶん見えないなあと思っているだろうなあ
と考えながらもショパンの演奏は続く。

これ、天井桟敷ではないだろうか。
見えにくいハンデを克服しようと
体を乗りだして観る。
そして手にはオペラグラス。

でもクラシックのピアノソロでは
果たして、そんな真似していいのだろうか、
そんな心の中で攻防が繰り広げられていたにちがいない。
ひとりだけ乗り出すと、
横の人のじゃまになりそうな気がするのだ。

ピアノ演奏だから
CDを聴くように目をつぶって聴いていればいいのだ。
そんな風に言い聞かせ、
耳だけを傾けたりしてみる。

でもやはり演奏している姿を観たい、
と思い切って乗り出して見ると
あ、ピアノがこっちに向かって置かれているので、
鍵盤がまったく見えない。
ピアニストの手が見えない。

そうかチケット購入する時は
ピアノが置かれる向きも予測しなければならない。
わかるかそんなの!(注:突っ込み)

ああ、悲しきB席・・・。

ショパン2曲の演奏が終わり、休憩へ。
休憩後僕の席の左右のお客さんが席に戻らなかった。
右側の若い男性は途中こっくりしてたしなあ。
左側の親子は子供さん、次の日朝から学校あるしなあ。
もちろん途中退席の理由はわからないが、
僕にとっては好都合。

心置きなく、
前の柵にもたれかかって、
乗り出して観た。
いや、演奏を聴いた。

手元は見ることができないが、
演奏する姿がよく見えた。
躍動と曲が一致した。
これぞ“演奏”。
演じ、奏でる。
シューマンとシューベルトの
どちらも幻想曲と言うだけあり、
同じような主題を感じた。

僕は声を大にして言いたい。
同じB席のみんなよ。
柵にもたれかって、
乗り出して聴こうじゃないか。
そして堂々と楽しもうじゃないか。

本当は乗り出して観る構造じゃないのかなあ。
だって、正しい観方だと
全く観れないなんて、詐欺と同じじゃないか。
僕はそう思う。

アンコールは耳なじんだショパンの曲でサービス。
帰りにどこかのお客さんが
これ、よく練習させられたのよと誰かにしゃべってた。

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