スノドカフェ七間町で「既に起きてしまった革命のために~『三文オペラ』から21世紀へ~」を観た

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2月17日(日)18時30分~

SPACの「妖怪の国の与太郎」を観て、電車で静岡駅へ。
次の予定まで時間があったので、
伊勢丹そばのドトールコーヒーで時間をつぶす。
ここの2階はよく使う。

スノドカフェ七間町でトークイベント。
トーク出演が、
ベルトルト・ブレヒトの戯曲「三文オペラ」の新訳を出版された大岡淳さんと
社会学者の大澤真幸さん。
こちらの新訳は東京芸術祭2018の野外劇にて上演されたもの。
また、リーディング出演として、蔭山ひさ枝さんと石井萠水さん。

「三文オペラ」は、
ずいぶん前になるが、
僕が所属していたアマチュア劇団が
68/71 黒色テントという劇団の
浜松での上演の招聘を手伝っていて、
浜松市内の鴨江寺の境内で
「三文オペラ」を上演した。

ブレヒトの戯曲を
劇団員の山元清多さんが
東京品川、おそらく時代は明治(台本に文明開化の文字があったので)
に書き換えた黒色テント版だ。

招聘するといっても
上演場所を確保し、
チケット販売を手伝い、
当日の運営を手伝い、
打ち上げに参加して、
シャンシャン(終わり)ではない。

招聘する作品に関する
お勉強もする、のである。以下。
・山元清多さんをお呼びし、話を聞く。
・黒色テント版「三文オペラ」の上演台本を読む。
・岩波新書の戯曲「三文オペラ」やブレヒトの著作物を購入し読む。
・「今日の世界は演劇によって再現できるか」という
ブレヒトの演劇論集からひとつの章を劇団員みんなで読み込み、討議する。

とは言え、
今思い起こすと
僕はよくわかっていなかったと思う。
自信を持って。

ただし、俳優の生演奏も入る
テント内で繰り広げられる音楽劇は、
多くの劇団員が夢中になった。
チケットもたくさん売ったので、
お客さんもあふれるほど入った。

ブレヒトの演劇論集の中の「演劇のための小思考原理」に、
《演劇》という施設のもっとも普遍的な機能は人を楽しませることだ~、
という一説がある。

楽しませるというのは実は一番難しい。
それは楽しみ方が人それぞれ違うからだ。
アハハと笑えればいいという人もいれば、
考えさせられるのを楽しいという人もいる。
全く知らなかったことを知ることが楽しいという人もいるだろう。
演劇は、パーティーでもてなすのとはまた違う。
(同じと言う人もいるかもしれないが)

劇作家は常に
その時生きている人に向けて書いている。
時代劇を書くにしても
その時代の人に向けて書いているのではない。
現代人に向けて、書いている。
もちろん未来の人に書いているわけでもない。

古典劇の上演も現代劇だと思う。
今の人に向けて
今の人が作っているのだから。

また、「演劇のための小思考原理」に、こうある。
《演劇》とは、与えられた、あるいは考え出された人間間の
出来事の生き生きとした模写をつくり出すことである。

模写と言っても、
現実的とか写実とかというのとは違う。
それはファンタジーでも時代劇でもできる。

むしろ対象を現実の日常と離れた方が
模写を作り出せるのかもしれない。
僕たちはまわりが見えにくくなっているので。

トークイベントの中で、
演劇の役割として、
“解決”することはできない。
徹底した“問題提起”をし続けるしかないという
話があった。

ブレヒトが提唱した“異化効果”とは、
「いい加減てめえで考えろ!」っていう意味だと考えている。

「新宿スワン」を読みながら翻訳したという余談に
いたく共感した。
「三文オペラ」のあらましを説明するために用いた
ボードに描かれた翻訳者手書きの漫画が
とてもうまかった。
表情で話の内容がわかるかのようだ。

会場である店に入る前に
近所でたまたま撮った写真。
新宿ゴールデン街から、
“ゴールデン”を除いたのであろうか。
ちと遠慮して。
新宿鮫というのもあるが、
何かのタイトルになりそうだ。

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