川根本町文化会館で大駱駝艦 田村一行 舞踏公演「彼方を語る人」を観た

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12月7日(土)14時~

浜松市の自宅から車で会場へ向かった。
川根と言えば、
お茶や温泉や
大井川鉄道のSLを思い浮かべるが、
車で行くと
南北に長いのを実感する。
南から北に向かい
川根町、中川根町、本川根町と連なっている。

会場である川根本町文化会館へ行くのは初めてである。
浜松などで見る公演チラシを見て、
ラインアップが個性的なホールだな、と常々思っていた。

もう少し暖かい季節ならもっと車も走っていたかもしれない。
会場へ向かう山道は、あまり車が走っていなかった。
果たして本当にこの先で舞踏公演が行われるのだろうか、と
不安に思わないでもなかったが、
車のナビはしっかりと川根町文化会館への道を示していた。

大駱駝艦と言えば
かつて状況劇場で唐十郎さんの
特権的肉体論を体現していたと言われていた
麿赤兒さんが率いる舞踏団。
本川根町という場所で
どんな佇まいを見せるのか
興味があった。

振付・演出・美術・出演は田村一行さん。
他に小川直哉さんと藤本梓さんが出演。
川根に伝わる昔話を題材に作品にした。
バレエが踊りと音楽だけで物語を伝えるように、
舞踏も踊りと音楽だけで物語を伝えるんだなと
感じながら見ていた。
普段の公演では珍しいようだが、
所々で演劇のようにセリフという表現手段も使用されていた。
結果、抽象性と具体性がほどよいバランスで
混じり合っていたように思う。

田村さんは作品をつくるにあたって、
「親子で楽しめる」ことを念頭に置いていたと
言っていたが、
それはよくわかった。
この日は地域のイベントがあり、
子供たちが観に来られないということだったが、
結構地域の年配のお客さんが見えられていた。
僕は子供とか年配の方とかにこそ
伝わるのではないかと思った。

まるで頭で解釈しようとしがちになるのを
たしなめるように、
鍛錬された肉体こそが雄弁に物語っていた。

しかしながらあらためて認識したこともある。
それは音楽というものの占める割合の大きさである。
バレエも同様。
また、スポーツであるがフィギアスケートを見ていても思う。
支配しているされているの関係ではなく、
お互いに補完し合っているのであろうが。

公演終了後、
2時間の舞踏のワークショップがあり、
僕も参加した。
前半は基本的な肉体練習、
後半は舞踏の型を少し教えてもらった。

最後に質問コーナーで、
参加した子供さんから
「どうして、天狗の面が取れなくなったんですか?」
という質問があった。
落ちていた天狗の面を顔にはめたら、
取れなくなったという場面があったのである。
田村さんは、本当の答えは教えなかったが
子供さんは納得しているようだった。

川根本町文化会館で大駱駝艦 田村一行 舞踏公演「彼方を語る人」を観た



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