シネマe~raで「香川1区」を観た

カテゴリー │映画

2月11日(祝・金)11時50分~

「香川1区」は現在立憲民主党所属の衆議院議員、小川淳也氏を題材とした
大島新監督のドキュメント映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の続編。

立憲民主党・小川淳也、自由民主党・平井卓也、日本維新の会・町川順子(得票数順)が立候補した
昨年2021年10月31日の香川1区、衆議院議員総選挙の模様を中心に描かれる。

ドキュメント映画として、製作者側はあくまでも政治理念に肩入れすることなく公明正大な視点でのぞんだことだろう。
ただし、ここで創作物ではない事実に基づいたドキュメント映画とは言え、
「物語」というものが持つ作用が、制作の過程で、働きだすことを実感した。

「なぜ君は総理大臣になれないのか」を観た時のブログでも触れたように、
https://ji24.hamazo.tv/e8919150.html
映画は個人的な関係性の中から始まった。

その際は、政治という世界に放り込まれた
(もちろん自ら飛び込んだのであるがこの言い方がふさわしいかもしれない)
ひとりの志高き政治家がいかに立ち振る舞うか描かれていた。
民進党所属から希望の党と合流し国民民主党になった際、
無所属の立場になることを選ぶなど、
迷いながらも迎合せず、信念を貫こうとする姿に
気持ちを重ねた観客も多いだろう。

国政という日本政治の最高峰にいながら、
どこか危うい主人公に応援する気持ちを抱くのも観客の心情。

その後、それがどのように作用していくかは
今回の続編で一端を理解した。
つまり政治家小川淳也を応援し支えるボランティアメンバーが
選挙区外からも集まっているということだった。

「香川1区」は、映画で描かれている舞台は集約されている。
コロナ禍行われた10月31日の衆議院議員選挙。
ここで「選挙」というものが元々持つドラマ性を改めて知らされる。

衆議院解散

立候補者決定

公示

選挙・開票

この一連の過程の中で、
立候補者ほか、様々な人物が登場し、
いろいろ思い、
選挙区をはじめとする場所で
それぞれが活動し、
その結果、
勝者、敗者がくっきりと分けられる。

「物語」は視点が定まると観客は観やすくなる。
例えば選挙期間内に行われる
政見放送は、立候補者に平等な立場をとる。
時間も決まっている。

ただし、「香川1区」は主人公が立憲民主党の推薦議員、小川淳也である。
関係性を重ねた制作者のカメラは
小川の自宅に入り込み、家族、両親を映し、声を聴く。
そして、選挙事務所内に入り込み、
周辺者を映し、声を聴く。

そして、「選挙」というドラマには
当然ながら対抗者がいる。
それは他の立候補者である。

そこにもカメラは向けられる。
しかし、関係性のまだできていないカメラは正直で、
そのできていない様子をそのまま表す。

平常時なら、そこから関係性を作っていくということもできたかもしれない。
ただし、選挙期間内は「非常時」だ。
向かうカメラに対応することが目的ではなく、
いかに選挙に勝つかが目的である。

映画という「物語」はおそらく、制作者の意図とは関係なく、
ひとりでに動き出す。
それは「選挙」というとても分かりやすいドラマ構造に取り込まれていくといってもいいだろう。

まるで勧善懲悪のすっきりわかりやすい何かの映画、テレビドラマ、小説・・・のように。
しかしこの映画は創作物ではない。
ドキュメントである。
創作物なら「作りもんだからさあ」とどこかで済ませられるが、
ドキュメントの持つ、非情さというか。
それを改めて感じた。

ただし、視点は観客に預けられている。
どうとらえるかは観客次第である。

当然、映画は終わっても
政治家自身の仕事は映画とは全く関係なく、継続している。

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